江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【4】希望を追い求めて 2010年春

行間を読む楽しさを味あわせてくれるだけの懐の深さがある『チェイス』

小説の醍醐味は行間を読むことである、と考える人もいるだろう。自分の世界に浸り想像し、空想する。それらと小説の世界が渾然となり一体化していく。読む人の数だけ小説がある。

『チェイス』でも行間を読むことの楽しさを味わうことができまいか。

『チェイス』にはそれだけの許容性、懐の深さ、自由があるように思う。

『ジェットコースタードラマ』の良さはその点にあると考える。インパクトが大いに求められるテレビにおいて、魅力が持続する番組の内容というのは、特に最近の風潮のなかではあまりに難しいことであろうが、視聴者にそうさせることができるテレビ番組というのは素晴らしいテレビ番組の一つといえる。

 

追って追われる者たちの人間関係が全編に横たわる

そのような自由があったとしても『チェイス』が『チェイス』足りうるのは、あまたいる人を受け入れ呑み込む自由のみならず、親子を軸とした追って追われる者たちの人間関係という一筋通った話だからであろう。

行間を読むことを許されるのであれば、題名である『チェイス』とは次のことを含んでいると考える。

  • 国税査察官が追い、脱税者が追われる関係
  • 春馬草輔(役:江口洋介)が追い、村雲修次(役:ARATA)が追われる関係
  • 父・春馬草輔が追い求め、娘・春馬鈴子(役:水野絵梨奈)が拒絶する関係
  • 息子・村雲修次が追い求め、母・澤村文子(役:りりィ)が否定する関係
  • 春馬草輔が追い求め、村雲修次が追い求められなかった、希望のともしび

 

親と子の間からあふれる希望、あたたかさ

村雲(役:ARATA)は、希望に暗闇の底を見出してしまった。

それでも村雲は、幼少時代、母(役:りりィ)のために作った木彫りの薔薇を受け取って欲しいと願った。

そのなかに忍ばせておいたメモ書き、『スイス銀行口座…サワムラフミコ』は母の手の中に握られることなく、今となっては黒い薔薇になってしまったその木彫りは、赤い薔薇へと変わることはなかった。

 

春馬(役:江口洋介)は、希望に陽の光を見出した。

株式投資の失敗で何千万円もの損失を被った娘を信じ許した父・春馬。

希望を追い求め、信じた春馬草輔、その娘・鈴子(役:水野絵梨奈)は第6回のなかで、春馬のスーツにアイロンをかけて春馬に言葉をかける。

「気をつけてね」

その姿はまるで春馬雪恵(役:木村多江)、母そのものであった。

 

親と子の関係に希望を見出したい。光のあたたかさを感じたい。

 

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  3. 再放送のあり方に『マルサ』の査察を
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  5. 希望を追い求めて
  6. ドラマ『チェイス』の出演者:主演 江口洋介、ARATA、麻生久美子
  7. ドラマ『チェイス』の出演者:主演の関係者 田中圭、斎藤工、水野絵梨奈、木下ほうか、町田マリー、木村多江
  8. ドラマ『チェイス』の出演者:ゲスト 佐藤二朗、大浜直樹、石黒英雄、菅田俊、大島蓉子、石橋蓮司
  9. ドラマ『チェイス』の出演者:助演 益岡徹、奥田瑛二、中村嘉葎雄

 

以上

  • 記事名:江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【4】希望を追い求めて 2010年春
  • 記事更新日:2010年5月4日、その他、2016年1月26日、2016年3月2日、2016年6月30日、2017年4月1日
  • 記事出典元:山上真のスマイルダイアリー

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