展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)2017年5月13日-9月10日

展覧会【人形アニメーション作家 持永只仁】を観た 人形動かずとも人が、心が動く(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)2017年夏

展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)のチラシ。そこには『中国の動画界を育て、若きティム・バートンも魅了した、日本のアニメーションの祖』と記載されている。
展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)のチラシ。そこには『中国の動画界を育て、若きティム・バートンも魅了した、日本のアニメーションの祖』と記載されている。

 

持永只仁 日本の人形アニメーションの祖

『持永只仁』展(京橋・東京国立近代美術館フィルムセンター)

9月10日まで・11-18時30分。

日本のみならず中国、アメリカでもその名は知られているとのこと。

『日本、中国の人形アニメーション作家の創始者』は『もちなが ただひと』と読む。

作品も人形も素晴らしく、良い縁を得た。

■引用元:Twitter 山上真@makotomys 2017年8月22日

 

本展覧会のチラシ、出品リストに記載された内容によると、持永只仁の略歴は次のとおりである。

この件は、サイト『持永只仁アニメーションプロジェクト』で詳細に知ることができる。

  • 持永只仁【もちなが ただひと】(1919-1999)
  • 東京都生まれ。佐賀県、中国の長春で育つ。
  • 1939年 芸術映画社に入社
  • 1941年 日本初の多層式アニメーション撮影台を開発(『アリチャン』にて)
  • 1945年の終戦以降 中国における撮影所の設立に尽力し、アニメーション製作を指導
  • 1953年 日本へ帰国
  • その後 人形映画製作所を設立。『ちびくろ・さんぼのとらたいじ』(1956年)ほかを製作。
  • 同じく アメリカのテレビ・劇場向け作品『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』(1964年)ほかの製作に携わる
展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)の会場出入口に掲げられた展覧会のポスター。人形は彼の監督、制作作品の登場人形の一部で上から時計回りに、『ちびくろ・さんぼのとらたいじ』『瓜子姫とあまのじゃく』『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』『少年と子だぬき』。
展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)の会場出入口に掲げられた展覧会のポスター。人形は彼の監督、制作作品の登場人形の一部で上から時計回りに、『ちびくろ・さんぼのとらたいじ』『瓜子姫とあまのじゃく』『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』『少年と子だぬき』。

本記事参考サイト:持永只仁アニメーションプロジェクト

  • 備考:この非営利団体の代表である持永伯子氏は、持永只仁の長女と思われます(サイト上にその旨の記載はない)。2016年5月時点で人形アニメーション映画の新作『二つの太陽』を製作中。完成予定の2017年4月を過ぎていますが、サイト上に完成についての言及はされていません。
  • サイト運営管理者:持永只仁アニメーションプロジェクト
  • サイトアドレス:2018年5月3日現在
  • http://r.goope.jp/tadmochinaga

 

見逃しは後の祭り 持永只仁作品の映画上映会

映画上映会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)のチラシ。展覧会会場では短時間ながら、数作品の映像が見られた。この映画上映会は行くべきだったというのは後の祭り。人形は彼の監督作品の登場人形の一部で、『ふしぎな太鼓』。
映画上映会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)のチラシ。展覧会会場では短時間ながら、数作品の映像が見られた。この映画上映会は行くべきだったというのは後の祭り。人形は彼の監督作品の登場人形の一部で、『ふしぎな太鼓』。

 

展覧会会場で2017年9月10日までに、作品の一部を短時間ながら見ることのできる持永只仁作品は、次のとおりである。

  • 『瓜子姫とあまのじゃく』
  • 『五匹の子猿たち』
  • 『ふしぎな太鼓』
  • 『こぶとり』
  • 『ぶんぶくちゃがま』
  • 『王様になったきつね』

本記事参考サイト:[上映]人形アニメーション作家 持永只仁 | 国立映画アーカイブ

 

同じ場所で開催中の、映画上映会『特集 逝ける映画人を偲んで2015-2016』より『妖怪百物語』(監督:安田公義) 

映画上映会『逝ける映画人を偲んで2015-2016』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)の会場出入口に掲げられた展覧会のポスター。私が観たのは『妖怪百物語』(監督:安田公義)。特技監督を務めた黒田義之が2015年1月22日に亡くなっている。
映画上映会『逝ける映画人を偲んで2015-2016』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)の会場出入口に掲げられた展覧会のポスター。私が観たのは『妖怪百物語』(監督:安田公義)。特技監督を務めた黒田義之が2015年1月22日に亡くなっている。

 

映画『妖怪百物語』(1968、監督安田公義)

これも初見で楽しみにしていた。

満足感は得られなかった。

しかし、多数の妖怪に悪役が責められる場面の気持ち悪さ、幻想的で現在的な映像(特技監督黒田義之)、その映像の良さを増幅させる渡辺宙明の音楽、などが印象深い。

本記事参考サイト:特集・逝ける映画人を偲んで 2015-2016 | 国立映画アーカイブ

  • 備考:この映画上映会は、2017年7月20日から9月10日までを会期として行われるものです。日によって上映される作品が異なります。
  • サイト運営管理者:国立映画アーカイブ
  • サイトアドレス:2018年5月3日現在
  • http://www.nfaj.go.jp/exhibition/yukeru2017-7_9/#section1-2

 

追記 2018年5月3日

どうも8代目林家正蔵はピンとこない。

昨夏2017年、京橋のフィルムセンターで見た映画『妖怪百物語』でもそう。

声聞き取りづらく我慢がならない(が弟子のまねに賛同しかねる)。

それでも良いと思わせる何かがあるのだろう。

初見の『戸田の渡し』。「戸田の河原は、雪でございます」。

その「ます」に震える。良い。

■引用元:Twitter 山上真@makotomys 2018年3月3日

本記事参考サイト:林家正蔵(彦六) 「戸田の渡し」

  • サイト運営管理者:YouTube rionlock2003
  • サイトアドレス:2018年5月3日現在。
  • https://youtu.be/hbdzHYt4cwM

 

映画作品を構成する人形、製作、経営、情熱

各作品で雰囲気、鮮やかさ、顔つきなどが異なる人形が楽しい。

経営資料や人形作成、作品制作の資料は興味深い。

会場では短時間ながら、数作品の映像が見られて面白い。

会場最後にある『少年と子だぬき』関係で思わず泣けてしまった。

■引用元:Twitter 山上真@makotomys 2017年8月22日

 

本展覧会は4章で構成されていた。

第1章 アニメーションへの志

第2章 新生中国のために

第3章 国産人形アニメーションの礎

第4章 アメリカ・中国・日本-アニメーション交流の懸け橋

 

何と言っても少なからず展示されていた、本物の作品の登場人形が素晴らしい。意図せずとも私の目は人形へと向いていた。

日本初の人形アニメーション映画である『瓜子姫とあまのじゃく』

鬼がたくさん出てくる怖さの中に愉快さがある『こぶとり』

ペンギンが可愛らしい『ペンギンぼうや ルルとキキ』など

そこに長く留まりたい人形の数々。

 

人形と併せて、作品の写真や絵コンテ、カット表、プレス資料も展示されていて、作品製作そのものの一端に触れることができた。

また、人形映画製作所時代の作業記録、日報、また制作費などに関するノートもあり、人形アニメーション映画作品の製作を多方面から知る機会を得た。

それら以上に意外なものとして、例えば『人形のための骨組みを作る』という製作の核、『企業秘密』ではないかと思われる人形作成のための方法を記した資料情報も展示されていた。ということは、持永只仁自身が他の人に公にしたことになる。

手取り足取り教えるのではなく目で見て盗め、などのいわゆる職人気質と距離を置いた思い考えで、業界そのものや真摯な関係者個々人のために、人形アニメーション作家の指導者としての役割を果たしていたものと理解できる。

 

持永只仁の弟子、川本喜八郎 その映画作品がこの秋に観られる

展覧会には『川本喜八郎による追悼文』が展示されていた。

川本喜八郎はアニメーション作家、人形作家で彼もまた一時代を築いた人。私は当時興味関心がなく記憶にないが、NHK人形劇『三国志』で人形美術を担当した。本展覧会のチラシでは(持永只仁の)『弟子の川本喜八郎』と案内されている。

詳細は覚えていないが、追悼文では、持永只仁の優しさに触れられていた。

 

偶然に、本年2017年10月に、その川本喜八郎、同じく著名な人形アニメーション作家である岡本忠成の作品上映会があることを知った。

神奈川県川崎市に在る、川崎市市民ミュージアム(最寄り駅は、JR南武線・南武線・横須賀線・湘南新宿ライン、東急東横線の武蔵小杉駅)において、10月14日土曜日14時から、10月15日日曜日11時30分からの2回、各回90分ほど、彼らの作品が上映される。

ただし持永只仁の作品は上映されない。

 

岡本忠成の『ホーム・マイホーム』は、本展覧会の会場である東京国立近代美術館フィルムセンターの常設展(同じ会場内で、本展覧会の前に見ることができる。モグラとキツネ、歌の楽しい作品)で何度も観た。今回はその作品を含まない、『小さな五つのお話』、『りすのパナシ』、『おこんじょうるり』の3作品が上映される。

また川本喜八郎の作品は観たことない。今回は『道成寺』。

 

当初はスケジュールが厳しく無理だと思っていたが、スクリーンで作品を観ようと思う。これも作品の魅力、そして持永只仁を知ったおかげ。良い縁を得た。

本記事参考サイト:10-11月 展覧会連携 国産アニメーション100周年記念《スクリーンに蘇る!アニメーション傑作選》 -川崎市市民ミュージアム

  • 備考:この映画上映会は、2017年10月14日から11月26日までを会期として行われるものです。日によって上映される作品が異なります。
  • サイト運営管理者:川崎市市民ミュージアム、指定管理者であるアクティオ・東急コミュニティー共同事業体
  • サイトアドレス:2018年5月3日現在。
  • https://www.kawasaki-museum.jp/cinema/8631/

 

持永只仁については1999年死亡の後に、本『アニメーション日中交流記 持永只仁自伝』が出版されている。また本年2017年には持永只仁作品である『少年と子だぬき』のDVDが発売されている。

私の持永只仁への興味関心はしばらくの間、冷めそうにない。

 

展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』の概要

  • 展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』
  • 日時:2017年5月13日-2017年9月10日 11時から18時30分まで(入場は18時まで)。ただし月曜日は休室。
  • 場所:東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区) 展示室(7階)
  • 当日料金:一般250円、大学生・シニア(65歳以上)130円。高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則として1名まで)、MOMATパスポート持参者、キャンパスメンバーズは無料。

本記事参考サイト:人形アニメーション作家 持永只仁 |国立映画アーカイブ

展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)の出品リスト。7階の会場に入る際にもらえるもの。本展覧会のチラシによると、この写真は彼本人で、『ちびくろ・さんぼのとらたいじ』の演出中のものと思われる。
展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)の出品リスト。7階の会場に入る際にもらえるもの。本展覧会のチラシによると、この写真は彼本人で、『ちびくろ・さんぼのとらたいじ』の演出中のものと思われる。

 

東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)の概要

  • 名称:東京国立近代美術館フィルムセンター(2018年4月1日をもって、国立映画アーカイブとなった)
  • 住所:〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-6
  • 交通アクセス1:東京メトロ銀座線 京橋駅から徒歩1分
  • 交通アクセス2:都営地下鉄浅草線 宝町駅徒歩1分
  • 交通アクセス3:東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅より徒歩5分
  • 交通アクセス4:JR東京駅より徒歩10分
  • 地図:【Google Map】https://goo.gl/maps/i3t1q4WbBCT2

本記事関連サイト:国立映画アーカイブ

  • 備考:2018年4月1日をもって、東京国立近代美術館フィルムセンターは東京国立近代美術館から独立し、国立映画アーカイブとなりました。
  • サイト運営管理者:国立映画アーカイブ
  • サイトアドレス:2018年5月3日現在。
  • http://www.nfaj.go.jp/
展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)2017年5月13日-9月10日
展覧会『人形アニメーション作家 持永只仁』(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)2017年5月13日-9月10日

 

以上

  • 記事名:展覧会【人形アニメーション作家 持永只仁】を観た 人形動かずとも人が、心が動く(東京国立近代美術館フィルムセンター:東京都中央区)2017年夏
  • 記事更新日:★2017年8月22日、2017年8月27日、2017年9月2日、2018年5月3日
  • 記事出典元:★Twitter 山上真@makotomys、山上真オフィシャルサイト
  • 写真撮影日:2018年8月15日

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