【アンドリュー・リットン】指揮・新日本フィル『マーラー交響曲第4番』を聞いた 2018年夏

2018年6月30日、すみだトリフォニーホール(東京・錦糸町)。

新日本フィルとアンドリュー・リットン。

クラシック音楽演奏会における【ビニール袋ガサガサ星人】は客ではない、【多動性星人】は客ではない、星に帰れ

ベルク『ルル組曲』の1音目でこの公演に期待できたのに。

『ビニール袋ガサガサ星人』と『オレンジ服多動性中年』襲来。

お前らのせいで、公演前半ぶち壊しだ。

お前らは、客ではない。

私はチケットを譲り受けたのではなく、招待を受けたのではない。

2階の席を、最も高い金額のS席を買ったのは、貧乏人に会わず、気狂いに邪魔されずに聞くためなのに。悔しい。

( 例えば、2,000円の席を買った演奏会において、4,500円の席に堂々と座るというずうずうしいこと、というより

そうした犯罪行為は、私にはできない。

ましてやそういうことをしましたとインターネット上にて、公衆の面前にて堂々と告白、自慢することなどは私にはできない。

錦之助でなくとも『人間のすることじゃねえや。叩っ斬ってやる』と言いたくなる。確かに妖怪は、人ではない )

苦手な曲がまた聞きたくなるとは嬉しいこと

マーラー『4』は苦手なのに、始めから好みのテンポで第1楽章後半に聞いた弦の音、メロディに目頭熱くなる。あっという間が名残惜しい。

また聞きたくなって嬉しい。

指揮者とソリストの(お辞儀の)共同作業も興味深い。

ソリストは卒団セレモニーにも一役買っていた。

奏者卒団公演は初めて

舞台が、客席が、ホールが良い雰囲気。

口ずさめるロビーコンサートの曲(ヘイゼル作曲 もう一匹のネコ「クラーケン」)、前半終わりの卒団者への拍手、公演終わりの温かさ。

終わることも悪いことばかりではない。

音楽は人が生み出すものなのだと思えて、その場にいられて良かった。

七夕前の2018年7月4日、新日本フィルとアンドリュー・リットン

人様の短冊を見るのは無責任なものだが、短冊作成者本人には一大事。

どうか『ビニール袋ガサガサ星人』が来ませんように。

どうか『多動性中年(しかも図々しい)』が来ませんように。

どうか『鈴鳴らし婆』が来ませんように。

このマーラー『4』でより期待したのです。好きな曲の組み合わせを新日本フィルとアンドリュー・リットンでと。

『新日本フィルハーモニー交響楽団 第590回トパーズ<トリフォニー・シリーズ>』の概要

  • 音楽会『新日本フィルハーモニー交響楽団 第590回トパーズ<トリフォニー・シリーズ>』の概要
  • 日時:2018年6月30日 土曜日 14時-
  • 場所:すみだトリフォニーホール 東京・錦糸町
  • 演目1:ベルク『歌劇<ルル>組曲』
  • 演目2:ベルク『アルテンベルク歌曲集』
  • 演目3:マーラー『交響曲第4番 大いなる喜びへの賛歌』
  • アンコールは前半も後半もなし。
  • ソプラノ:林正子(すべての演目に参加)
  • コンサートマスター:西江辰郎
  • 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
  • 指揮:アンドリュー・リットン
  • 備考:同じプログラム、場所で、前日の2018年6月29日金曜日19時より公演がありました。

本記事参考サイト:新日本フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会#590トパーズ<トリフォニー・シリーズ>

  • 備考:ソリストに林正子、指揮にアンドリュー・リットンを迎えた演奏会の情報です。
  • サイト管理者:公益財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団
  • サイトアドレス:2019年3月13日現在。
  • https://www.njp.or.jp/concerts/3362

本記事の名称、更新日、出典元、写真撮影日

■ 記事名称:【アンドリュー・リットン】指揮・新日本フィル『マーラー交響曲第4番』を聞いた 2018年夏

■ 記事更新日:★2018年7月3日、2018年8月2日、2019年3月13日、2019年3月14日

■ 記事出典元:★Twitter 山上真@makotomys、山上真オフィシャルサイト

■ 写真撮影日:2018年6月30日

【上岡敏之】指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団『マーラー交響曲第5番』を聴いた 2017年秋

横浜みなとみらいホールの演奏会【上岡敏之指揮】2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団 マーラー交響曲第5番ほか

2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 横浜みなとみらいホール(東京・横浜みなとみらい)チラシ
2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 横浜みなとみらいホール(東京・横浜みなとみらい)チラシ

 

初来館 横浜みなとみらいホール

山下公園には足を運ぶ機会があるけれど、横浜みなとみらい地区に来ることは覚えている限りで初めて。最寄り駅のみなとみらい駅で降りてそのホームから、多くの人々を乗せて動く物体、これほど大きなエスカレーターが見られるとは思っても見なかった。

 

横浜高速鉄道みなとみらい線のみなとみらい駅ホームより見た、クイーンズスクエア横浜の中にある赤色の長いエスカレーター(神奈川・横浜みなとみらい)
横浜高速鉄道みなとみらい線のみなとみらい駅ホームより見た、クイーンズスクエア横浜の中にある赤色の長いエスカレーター(神奈川・横浜みなとみらい)

 

私もそれに乗って、クイーンズスクエア横浜の中にある横浜みなとみらいホールに足を運んだ。みなとみらい駅から横浜みなとみらいホールへの所要時間は徒歩にて3分ほど。

ただしエスカレーターを降りてからのクイーンズスクエア横浜1階フロアは本当に広く、人の往来も多く激しい。1回の行き来では慣れず、行き方を覚えられないかもしれない。

 

横浜高速鉄道みなとみらい線のみなとみらい駅から、同じ階にあるクイーンズスクエア横浜の赤色の長いエスカレーターへ(神奈川・横浜みなとみらい)
横浜高速鉄道みなとみらい線のみなとみらい駅から、同じ階にあるクイーンズスクエア横浜の赤色の長いエスカレーターへ(神奈川・横浜みなとみらい)

 

クイーンズスクエア横浜(神奈川・横浜みなとみらい)の赤色の長いエスカレーター。この地下3階から横浜みなとみらいホール(クイーンズスクエア横浜の中にある)のある1階へ直通のエスカレーターである。この日週末の13時頃は上り2列下り1列で、17時頃は上り1列下り2列で稼働していた。
クイーンズスクエア横浜(神奈川・横浜みなとみらい)の赤色の長いエスカレーター。この地下3階から横浜みなとみらいホール(クイーンズスクエア横浜の中にある)のある1階へ直通のエスカレーターである。この日週末の13時頃は上り2列下り1列で、17時頃は上り1列下り2列で稼働していた。

 

本公演開演の14時までに時間があったため、クイーンズスクエア横浜(この施設の中に横浜みなとみらいホールが所在する)の外に出た。この日は『第5回沖縄チャンプルーカーニバル』が行われていて、その出店多数。小雨が残念だった。

その向こう側に、テレビでしばしば目にした大観覧車を初めて見た。1回転およそ15分のこの大観覧車に乗ってはいないが、見ただけで儲けた気分になる。

 

クイーンズスクエア横浜1階外より見た、大観覧車『コスモクロック21』(神奈川・横浜みなとみらい)。この日はクイーンズスクエア横浜にて『第5回沖縄チャンプルーカーニバル』が行われていた。
クイーンズスクエア横浜1階外より見た、大観覧車『コスモクロック21』(神奈川・横浜みなとみらい)。この日はクイーンズスクエア横浜にて『第5回沖縄チャンプルーカーニバル』が行われていた。

 

これまでは場所が神奈川県であること、言い換えれば東京都ではないことを考慮して、横浜みなとみらいホールは避けてきたが、そのことがばかばかしく思えてきた。来て良かった。

本公演で客に恵まれたとは言わないが(2階サイドの男女カップルのうち男は、演奏開始直前や楽章の合間に喋って喧しく気が散ってしまった。終わってからいくらでもウンチクはひけらかせるでしょう。女に「終わったらすぐに帰るから」って言われただろうか。こいつ一人が大きくダメ)、ホールの中、客席の雰囲気が良かった。

これであれば、池袋や初台よりも私は横浜みなとみらいが良い。

 

2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演前のホール出入口の様子
2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演前のホール出入口の様子

 

2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演前のホール出入口の様子
2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演前のホール出入口の様子

 

それでも、場所の問題は私にとって小さくないネックだ。

コンサートのある日には別のイベントにも足を運びたいところ、それらのイベントは東京都で行われることが多く、『朝から東京へ、午後(13時45分まで)に横浜へ』というスケジュールは口で言うほど簡単なことではなく、イベントの選択肢を少なくしてしまう(この点、上手くいけば東京某所から乗り換え無しで、電車1本でみなとみらい駅に出られるので、良い世の中になったものだ。関係者の努力に感謝)。

これは横浜みなとみらいホールを利用する上での今後の私の課題だ。

 

横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)のホール外の柱と青色の旗。横浜の海や空をイメージした深い青色なのだろうか。
横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)のホール外の柱と青色の旗。横浜の海や空をイメージした深い青色なのだろうか。

 

ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第4番』

14時過ぎから14時40分頃まで

アンコールなし

 

横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)の正面入口。この向かい側にパシフィコ横浜、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルなどがある。このホールには始めて来たが、ホール2階、3階から見るパシフィコ横浜側の景色は良いものだ。
横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)の正面入口。この向かい側にパシフィコ横浜、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルなどがある。このホールには始めて来たが、ホール2階、3階から見るパシフィコ横浜側の景色は良いものだ。

 

開演時間になっても人の出入りが多かった。特に舞台の横、後ろの安い席で。週末の昼だというのになぜ余裕なく、あるいはチンタラチンタラと行動しているのだろう。不快だ。

ピアノのデジュー・ラーンキ。大柄な男が堂々とゆっくりとした足取りで登場。

一音目から良い音が聴こえてきた。本公演は良いものになりそうだと思った。

 

横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)の正面入口から見た、パシフィコ横浜会議センター、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの裏側。
横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)の正面入口から見た、パシフィコ横浜会議センター、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの裏側。

 

2階サイドから聴いて、少々硬い音と感じることもあったが、最後まで聴くことに問題はなかった。

ただし、私にとって、すみだトリフォニーホールの1階で聞くピアノの音があまりに硬くて、しばらくすみだトリフォニーホール1階ではピアノリサイタルやピアノ協奏曲などは聞かないこととした。もしかしたら、横浜みなとみらいホールでも同じことが私に当てはまるかもしれず、その点は残念に思った。

ピアノは小さな音もはっきり聴こえ、大きな音の迫力は素晴らしい。軽やかな音ではなく、音の一音一音が明確で重い。弾く姿は美しさに遠い。見て聴いて現実味があるやに思えたが、しかしそこに大部分の人間がたどり着くのは困難である別世界がそこにはあった。

彼はピアノを弾きながら何度も、天井を見上げていた。

 

横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)の正面入口から見た、パシフィコ横浜の展示ホール。
横浜みなとみらいホール(神奈川・横浜みなとみらい)の正面入口から見た、パシフィコ横浜の展示ホール。

 

第1楽章、ピアノのソロで泣けてしまった。

第2楽章、オーケストラの音に重さ、深さがあって良かった。

彼のタイミング合わせの指揮者に対する手振りは少なくとも2,3度あった。ピアノ、指揮者、コンサートマスター、いずれもが目や手などで音を合わせようとする。誰も彼もがバラバラではない。その共同作業の良さを目にすることができた。

演奏が終わってからも、舞台上の雰囲気が良い。『私だけではないよ』と言わんばかりに、デジュー・ラーンキは上岡敏之の手を何度も引いて観客へ頭を下げていた。

マーラー『交響曲第5番』

15時頃から16時13分頃まで

アンコールなし

終演16時20分頃

 

2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 横浜みなとみらいホール(東京・横浜みなとみらい)のモール入口に掲示された本日の公演の案内
2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 横浜みなとみらいホール(東京・横浜みなとみらい)のモール入口に掲示された本日の公演の案内

 

眠らず、眠くならず。充実した演奏であると思った。

耳慣れない音が第1楽章から所々にあった。第4楽章から最終楽章へと進むところも時間が止まるかのようなこれだけゆっくりとした演奏は耳にしたことがなく、それが不快にならず心が踊った。それなのに最終楽章の途中で飽きてしまったのはどうしてなのか分からないが、最後は『これだ、これだ!』とその束の間の時間を大喜びで味わった。心地よく拍手をし続けた。

そういえば、本公演終了後に「マーラーはどうもじれったい!」という男性の声が聞こえてきた。終わってみれば70分を切る演奏だったが、すっきりはっきり流れの良いマーラーではなく、数字上ではなく感覚的に、前に進んでいるのかどうか分からないような、絡みつかれるような掴まれるような、このようなマーラーを聴くことができて良い時間を過ごすことができた。

 

2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演後のホール出入口の様子
2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演後のホール出入口の様子

 

演奏開始からトランペットは良く響いていた。ノーミスとは言わないが、本公演は金管セクションが良かったのでバッチリ決まった。

弦楽セクションは美しかったのだけれど、もう少し音が欲しい。遠くから聞こえるように思うことがあった。違う席で聴いたらそうは聞こえなかったのだろうか。それでも確かに、アダージェットは美しく、涙を流した。

演奏が終わり上岡敏之と崔文洙は抱擁を交わした。このコンビでは何度も目にしていることだが白けるものではない。中身が伴っていない、見せかけだけのものとは思えないからだ。『そうだ、そうだ』と思いながら、私は拍手を送り続けていた。

本公演の終了後に頭の中に流れてきた曲は

本公演にて演奏されたマーラー『交響曲第5番』でもベートーヴェン『ピアノ協奏曲第4番』でもなく、アニメ『さすがの猿飛』のオープニングテーマ『恋の呪文はスキトキメキトキス』(
歌:伊藤さやか、作詞:康珍化、作曲・編曲:小林泉美)だった。

本公演に関係のないこの曲がなぜ、流れてきたのかは今でも分からない。

本公演の数日前に、某共有動画サイトで偶然耳にした、しかも30年以上ぶりのご無沙汰。その時に『この曲、良いな』と思ったことが影響したのかもしれない。本公演の素晴らしさに。

だったらマーラーかベートーヴェンが真っ先に流れてくるはずだけれど。主人公の猿飛肉丸のように、神風を吹かせることはできない。

カミカゼは吹かない

新日本フィルの定期演奏会は総じて集客がよろしくない。8割ほど席が埋まっていれば良い方だというのが、ここ1年で数回定期演奏会に足を運んでの思いだ。例えば5年前、10年前は、新日本フィルどころか他のオーケストラの公演に足を運んでいなかったので、私はその当時の集客状況は知らない。あくまでもここ1年の話として。

本年2月に行われたユッカ=ペッカ・サラステ指揮の新日本フィル定期演奏会は、公演数日前にチケットオンラインで予約状況を確認したところ、2月3日金曜日の公演は9割以上の予約が入っていたがこれは珍しいことだ。翌日2月4日土曜日の同じ内容の公演に足を運んだが、ここまでの客の入りではなかった。

 

2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演後のホール出入口の様子
2017年9月16日 新日本フィルハーモニー交響楽団公演 公演後のホール出入口の様子

 

本公演は1階席、2階席で客の入りが6割ほどだったか。しかし横浜みなとみらいホールは3階まであるところ始めから3階席は売っていなかったので(このことは昨年の新日本フィル特別演奏会も同じだった)、集客人数は思っている以上に少ないと思われる。そのうえ1階席や2階席の後ろの席には中学生ぐらいの制服着用の未成年が集団でいた。招待客だろうか。

本公演と同じ内容の9月14日のサントリーホール定期演奏会では、当日券が200枚程度発売されることがサントリーホールのTwitter公式アカウントで案内されていた。

以前のダニエル・ハーディング、インゴ・メッツマッハー体制時代からのことなのかもしれないが、新日本フィルや上岡敏之の集客力はどうなのか。上岡体制は2年目が始まったばかりであるが、人気の高そうな本公演のプログラムでこの集客では、来季はどうなるだろうと気の早いこと、関係者でないのに要らぬことを思ってしまう。

 

瞬間的なカミカゼが吹いて欲しいのではない。地元の錦糸町はもちろんのこと、赤坂やここ横浜みなとみらいで、継続して、8割以上の客席が埋まる中で彼らの音楽を聴きたいということが近年の希望の一つ(人が多くなればなるほど、静かに聴ける環境でなくなる可能性が高くなるので、常時満席は困ります。今でも、他人のことなんぞ気にしてられるか、遠慮しない、そんな迷惑な奴らがいるというのに)。

他人様に興味関心を持ってもらうことは本当に難しい。「良いね」と言ってもらうこと、広めてもらうことも同じぐらいに難しい。

(ここではまったく関係のない話だけれど、2017年10月8日現在、担当指揮者が不在の『エリシュカの新日本フィル定期演奏会』、早く決まってくれないかな)

 

よこはまコスモワールド(神奈川・横浜みなとみらい)の大観覧車『コスモクロック21』。チョンボをしてもいーさいーさと許してくれそう。
よこはまコスモワールド(神奈川・横浜みなとみらい)の大観覧車『コスモクロック21』。チョンボをしてもいーさいーさと許してくれそう。

 

「わざわざここまで来た甲斐があったでしょう」

本公演に団体で来ていた学生が羨ましい。良い時間を過ごすことができて。今は良いと思わなくても、これが何時か花開くことがある。他方で、未来の新日本フィルの、クラシック音楽界の顧客になってくれるかもしれない。手間暇時間がかかるけれど、種を撒いて水を撒くことは不可欠だ。

本公演が終わった後、横浜みなとみらいホールを出るまでの間に耳にした「わざわざここまで来た甲斐があったでしょう」「はい!本当に」の男女の会話。関係者でなくても、演奏会の客の一人として、そういう声をまた聞きたい。またそう思う機会を得たい。

本公演の数日後、マーラー『交響曲第5番』が私の頭の中を駆け巡り、知らないうちに口ずさんでいた。この演奏会、素晴らしかった。

『新日本フィルハーモニー交響楽団 第4回特別演奏会サファイア<横浜みなとみらいシリーズ>』の概要

  • 音楽会『新日本フィルハーモニー交響楽団 第4回特別演奏会サファイア<横浜みなとみらいシリーズ>』の概要
  • 日時:2017年9月16日 土曜日 14時-16時20分頃
  • 場所:横浜みなとみらいホール 神奈川・横浜みなとみらい
  • 演目1:ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第4番』
  • 演目2:マーラー『交響曲第5番』
  • ピアノ:デジュー・ラーンキ
  • コンサートマスター:崔文洙
  • 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
  • 指揮:上岡敏之
  • 備考:同じプログラムで、サントリーホールにて、一昨日の2017年9月14日木曜日19時より公演がありました。

本記事参考サイト:♯4 特別演奏会 サファイア<横浜みなとみらいシリーズ>

  • 備考:ソリストにピアノのデジュー・ラーンキを迎え、音楽監督である上岡敏之が指揮した演奏会の情報です。
  • サイト管理者:公益財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団
  • サイトアドレス:2017年10月8日現在
    https://www.njp.or.jp/archives/4861
新日本フィルハーモニー交響楽団第4回特別演奏会サファイア<横浜みなとみらいシリーズ>パンプレット:2017年9月16日上岡敏之指揮『ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番』『マーラー 交響曲第5番』
新日本フィルハーモニー交響楽団第4回特別演奏会サファイア<横浜みなとみらいシリーズ>パンプレット:2017年9月16日上岡敏之指揮『ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番』『マーラー 交響曲第5番』

 

以上

  • 記事名:【上岡敏之】指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団『マーラー交響曲第5番』を聴いた 2017年秋
  • 記事更新日:2017年10月8日
  • 記事出典元:山上真オフィシャルサイト

ガーシュウィンと小澤征爾とキム・ヨナと 2010年春

浅田真央 金メダルの大きな希望一身に

平成22年2月26日金曜日 朝

日本はさながら『浅田真央狂騒曲』の一日であった。

数日前からマスコミを通して、そしてマスコミ自体が真央、真央、真央。浅田真央が優勝して当然である。そのような錯覚に陥る騒ぎようであった。

バンクーバーオリンピック。

フィギュアスケート女子の競技は今日、平成22年2月26日で幕を下ろす。ショートプログラムを終えての順位は、第1位がキム・ヨナ(韓国)、第2位が浅田真央(日本)。その差は4.72。いくつか接したニュースによれば、その差は詰められる、逆転できる。浅田真央は優勝できるという。

日本総出の優勝、金メダルへの大きな希望。

 

浅田真央とキム・ヨナ一色の報道

平成22年2月26日金曜日 夕方

仕事を終えてテレビのスイッチを入れると、浅田真央の演技と彼女への応援の風景、そしてキム・ヨナへの応援風景が映し出される。何度も何度も、浅田真央の演技、失敗して絶句、涙あふれるインタビュー。さらにはばか騒ぎの応援の映像が流し出された。

しかしながら一向にキム・ヨナの演技は少しとして映し出されない。

キム・ヨナへの応援風景は見ることはできるが、それは浅田真央の応援風景との対比に過ぎない。さほどもキム・ヨナへの賞賛を表すためのものとは思えない。女王はキム・ヨナであるのだからしっかりと、彼女の演技の映像を流すべきだ。

浅田真央の話題があまりに出過ぎていて、誰が女王になったのか分かりはしない。もちろんそれは浅田真央が悪いのではない。マスコミの扱い方の問題だ。

 

キム・ヨナのフリー演技の音楽 ガーシュウィン『ピアノ協奏曲へ調』

平成22年2月26日金曜日 夜

しばらくしても、銀盤の女王、キム・ヨナの演技は見られなかった。そのなかにあってなぜだか安心する、胸踊る音楽が流れてくる。何だこの曲は、あれっ、聞いたことがあるんじゃないか。あ、思い出した。

ガーシュウィンの『ピアノ協奏曲ヘ調』だ。キム・ヨナがフリーの演技で使用した曲、そして私の好きな曲。

ガーシュウィン『ピアノ協奏曲ヘ調』との出会いは、早いもので5年も前のことになってしまった。平成17年のことだ。ガーシュウィンについては『ラプソディ・イン・ブルー』しか知らず、その時は『ラプソディ・イン・ブルー』にあまりいい思いをもっていなかったことからガーシュインに興味関心をもてなかった。

それにもかかわらず、この曲に接することができたのは、指揮者:小澤征爾と日本を代表するオーケストラであるNHK交響楽団の共演が話題になったからである。

 

指揮者:小澤征爾とガーシュウィン『ピアノ協奏曲へ調』

指揮者:小澤征爾は言わずと知れた日本を代表するのみならず、クラシック音楽界の最高峰であるウィーン国立歌劇場の音楽監督まで昇り詰めた『世界のオザワ』である。

小澤征爾とNHK交響楽団との間には『小澤事件』が生じ、その不仲、事件後平成7年に共演を果たすまでに32年の歳月が流れた。次回の共演は平成17年、つまり10年後のことである。

その平成17年の共演が、NHK音楽祭2005においてあった。ガーシュウィン『ピアノ協奏曲ヘ調』はその共演において聞くことのできた曲である。その際は、通常の演奏会では見られない、ジャズトリオであるマーカス・ロバーツ・トリオとの協奏曲であった。

ジャズ界でもその名前轟いているガーシュインの曲をマーカス・ロバーツ・トリオの満ちあふれるリズム感と個性際立つ音色、そしてシンフォニーの華やかさと艶やかさ、指揮する小澤征爾との一体感としての音楽の輝きに私は魅了され、気づけば涙が溢れでていた。

その日以降しばらくの間、その涙を私は流し続けることになる。

この曲ただ一曲で、私はガーシュウィンに大きな興味関心をもち見直し、その後テレビ『のだめカンタービレ』のエンディングテーマとしておなじみとなった『ラプソディ・イン・ブルー』もいい曲だな、と思い直した。調子のいいものだ。

小澤征爾が指揮したガーシュウィン『ピアノ協奏曲ヘ調』は、忘れることのできない曲、好きな曲である。

公演について:NHK音楽祭2005 管弦楽:NHK交響楽団、指揮:小澤征爾

  • 演奏会:『ガーシュウィン ピアノ協奏曲へ調』
  • 演奏日時:2005年10月26日
  • 演奏場所:NHKホール
  • テレビ録画
  • 共演:マーカス・ロバーツ・トリオ
  • オーケストラ:NHK交響楽団
  • 指揮:小澤征爾

 

私とクラシック音楽を再び結びつけた小澤征爾

小さい頃、私はクラシックピアノを習わせてもらっていたが、成人する前にやめた。それからというもの、クラシック音楽自体に興味関心は全くといっていいほどなかった。

この数年、クラシック音楽に関するCDを買っては聞いていた。そのきっかけとなったのがクラシック音楽のムックに付録としてついていたオムニバスのCD。そのなかに収録されていた、マーラー『交響曲第2番<復活>』の第5楽章の最後であった。

マーラーの曲自体をじっくりと聞いたのは、この時が初めてであった。

後で知ることになるが、最初に聞いたマーラーの音楽はオッペン化粧品のテレビコマーシャルであったか、そのコマーシャルソングとして使われていたマーラー『交響曲第4番』第1楽章冒頭であった。この曲は私の好きな指揮者であるラファエル=クーベリックによるものを初めて聞いたが、テンポが速すぎて私には合わず、嫌いになってしまった。今でもほとんど聞かない。

オムニバスのCDで聞いたマーラー『交響曲第2番<復活>』第5楽章の最後。その音源は2000年平成12年、小澤征爾による指揮、サイトウ・キネン・オーケストラによる演奏であった。小澤征爾によって、大げさながら、私のクラシック音楽人生は復活したのであった。

私は小澤征爾に、素晴らしい音楽であるマーラー『交響曲第2番<復活>』そしてガーシュウィン『ピアノ協奏曲ヘ調』を教えてもらった。

残念ながら、今ではいずれの曲も気が向いたときにしか聞くことはなくなってしまったが今回のキム・ヨナのフリーの演技で私はその素晴らしい音楽を、そして心動かされたその時を思い出すことができたのだ。

CDについて:マーラー『交響曲第2番 復活』

  • CD:マーラー『交響曲第2番 復活』
  • 演奏日時:2000年1月
  • 演奏場所:東京文化会館
  • CD発売:SONY  
  • CD値段:2,520円(税込)
  • ソプラノ:菅英三子
  • コントラルト:ナタリー=シュトゥッツマン
  • オーケストラ:サイトウ・キネン・オーケストラ
  • 合唱:晋友会合唱団
  • 合唱指揮:関屋晋
  • 指揮:小澤征爾
  • 以上、2010年現在

 

銀盤の女王にふさわしい キム・ヨナ

平成22年2月27日土曜日 22時過ぎ

NHK総合のテレビ『浅田真央とキム・ヨナ』で初めてキム・ヨナのフリーの演技をまともに見ることができた。ガーシュウィン『ピアノ協奏曲ヘ調』の儚く悲しげな、それでいて胸踊る高揚感、そしてそれと一つのものとなったキム・ヨナの艶やかで美しい演技に銀盤の女王の称号を受けるにふさわしい強さと品位を見ることができた。

  • 「何であんなに高い得点がキム・ヨナに付けられるのか」
  • 「ひいきされているからだ。浅田真央はあんなに低い点数で」

そのような趣旨の発言をテレビでも新聞でも接した。

「勝ち逃げが許されるのか」という声がキム・ヨナに投げかけられるのかもしれない。しかしそれは、浅田真央への期待があまりにも大きかったがゆえの、一刻の感情によって発せられた言葉だと思いたい。

キム・ヨナは今季、フランス杯、スケートアメリカ、そしてGPファイナルで優勝している。アメリカ大陸にあるバンクーバーで行われたオリンピックにその雰囲気にふさわしいわかりやすく華やかな『007』、そしてガーシュウィン『ピアノ協奏曲ヘ調』で演技を行ったという作戦意図も功を奏したのであろう。

なによりもキム・ヨナの演技や雰囲気、その笑顔は、女王にふさわしいものであった。

キム・ヨナはピアノ協奏曲で、韓国国内の狂騒に、そして浅田真央との競争、己との競争に勝ち、銀盤の女王となったのだ。

 

ガーシュウィン『ピアノ協奏曲ヘ調』の概要

  • 曲:ガーシュウィン『ピアノ協奏曲へ調』
  • 発表年:1925年
  • 作者:ジョージ・ガーシュウィン

本記事参考サイト:ガーシュイン ピアノ協奏曲ヘ長調 小澤征爾 マーカス・ロバーツ・トリオ

  • 備考:管弦楽ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、2003年ヴァルトビューネのガーシュウィン・ナイト。
  • サイト管理者:YouTube Mu E.
  • サイトアドレス:2016年6月28日現在
    https://youtu.be/f2VCFm8b-as

本記事参考サイト:Gershwin Concerto in F 3rd mvnt – Peter Jablonski piano

  • 備考:ガーシュウィン『ピアノ協奏曲 ヘ調』の第3楽章です。ピアノ:ペーテル・ヤブロンスキー、管弦楽:NHK交響楽団、指揮:マレク・ヤノフスキ、1992年12月10日、NHKホールにおける定期演奏会のものと思われます。超高速です。
  • サイト管理者:YouTube Alclavi
  • サイトアドレス:2016年6月28日現在
    https://youtu.be/q4yJVsuzimo

 

  • 記事名:ガーシュウィンと小澤征爾とキム・ヨナと
  • 記事更新日:2010年4月23-25日、2014年1月26日、2015年6月19日、2015年12月24日、2016年1月3日、2016年2月28日、2016年6月28日
  • 記事出典元:山上真の「スマイルダイアリー」(Blogger)「Kim Yo-Na,Ozawa,Gershwin」