江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【5】主演 江口洋介・ARATA・麻生久美子 2010年春

江口洋介 /春馬草輔 役

東京国税局第20部門内偵担当。

『江口洋介はすごいんだろうな』とは思っていても、江口洋介が出演しているからそのドラマを見たいとまでは思わない、というのが私のなかでの彼の位置付けである。

それでもだ。

主演であるからそれが自然なのであろうが、春馬草輔の正義感、没頭感、情熱が、江口洋介を通してそのまま伝わってくる。

また家族がいるからこそ安心をし大きな感謝をしているにも関わらず、なかなかそれを伝えることができない、家族を通しての不器用さも伝わってくる。

『正義は勝つ』こと、希望を託す 江口洋介であればこそ

ドラマは主演だけでは成り立たず、助演、そのほか大勢のキャストがいて作られるものではあるのだけれど…。

不正を許してはならないという『正義の実現』。そう口では簡単にいえるけれども…。

この世のなかで、極めて実現すること困難なことを、力むことのない演技で江口洋介は見せてくれる。

江口洋介だけでも『チェイス』は成り立ってしまうのではないかと錯覚を起こし、またその江口洋介だからこそ、『チェイス』は成り立ってほしいと希望を見出す。『正義は勝つ』ことを強く求めているのかもしれない。

 

ARATA(現・井浦新)/村雲修次 役

税務脱税コンサルタント。「カリブの手品師」。

彼は去年の夏にNHKで放送された『リミット2』(主演:森山未來)に犯人役で出演していた。そのときは森山未來や武田鉄矢、加藤あいの好演もあってARATAを良いとは思わなかった ~この番組を見たきっかけは、武田鉄矢の演技であった~。彼の白い肌が印象に残ったぐらいだ。

見えない心の怖さを演じる 江口洋介に引けをとらない

能面のような抑えた表情と、止まることのない川の水のように流れていく、押し迫ってくる話し方が、村雲の見えない心の怖さを表している。江口洋介に負けていない。

最近では『ミステリアス』という言葉が陳腐と思えるほどに、訳の分からない人や訳の分からない事件が当たり前になってしまったが、このARATAにはミステリアスという言葉が似合ってしまう。

 

麻生久美子 /川島歌織 役

元村雲修次の恋人。檜山基一の妻であり村雲修次の愛人。

『またあの世界に戻る』ときの背筋が凍る思い。

夫に対する表の顔、愛人に対する裏の顔が、先の見えない結末に向けて、表裏一体となってゆく女の底の知らない恐ろしさ。

麻生久美子はさほど気にならない女優だった。最近放送されていた次のものを見ていても、どうとも思わなかった。

  • 吉岡秀隆とのヤマサ醤油『昆布つゆ』のテレビコマーシャル
  • 大森南朋とのサッポロビール『オフの贅沢』のテレビコマーシャル(人気のある俳優との共演であるから、彼女そのものへの期待の高さもうかがえる)

多彩な顔を見せて魅せる 麻生久美子に恐れ入りました

いやあこんなに良い女優だとは思わなかった。恥ずかしい。

  • 尽くす女の顔
  • 男に惹かれていく女の顔
  • まるで母親の顔
  • 男を見透かす顔

『チェイス』を見ての大きな収穫の一つ。

 

江口洋介主演 ドラマ『チェイス』に関する本サイトの記事

  1. ドラマ『チェイス』の概要
  2. 江口洋介に引きこまれた
  3. 再放送のあり方に『マルサ』の査察を
  4. 再放送のあり方再考。それでも最高の『チェイス』
  5. 希望を追い求めて
  6. ドラマ『チェイス』の出演者:主演 江口洋介、ARATA、麻生久美子
  7. ドラマ『チェイス』の出演者:主演の関係者 田中圭、斎藤工、水野絵梨奈、木下ほうか、町田マリー、木村多江
  8. ドラマ『チェイス』の出演者:ゲスト 佐藤二朗、大浜直樹、石黒英雄、菅田俊、大島蓉子、石橋蓮司
  9. ドラマ『チェイス』の出演者:助演 益岡徹、奥田瑛二、中村嘉葎雄

 

以上

  • 記事名:江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【5】主演 江口洋介・ARATA・麻生久美子 2010年春
  • 記事更新日:2010年5月4日、その他、2016年1月30日、2016年3月2日、2016年7月1日、2017年4月1日
  • 記事出典元:山上真のスマイルダイアリー

江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【4】希望を追い求めて 2010年春

行間を読む楽しさを味あわせてくれるだけの懐の深さがある『チェイス』

小説の醍醐味は行間を読むことである、と考える人もいるだろう。自分の世界に浸り想像し、空想する。それらと小説の世界が渾然となり一体化していく。読む人の数だけ小説がある。

『チェイス』でも行間を読むことの楽しさを味わうことができまいか。

『チェイス』にはそれだけの許容性、懐の深さ、自由があるように思う。

『ジェットコースタードラマ』の良さはその点にあると考える。インパクトが大いに求められるテレビにおいて、魅力が持続する番組の内容というのは、特に最近の風潮のなかではあまりに難しいことであろうが、視聴者にそうさせることができるテレビ番組というのは素晴らしいテレビ番組の一つといえる。

 

追って追われる者たちの人間関係が全編に横たわる

そのような自由があったとしても『チェイス』が『チェイス』足りうるのは、あまたいる人を受け入れ呑み込む自由のみならず、親子を軸とした追って追われる者たちの人間関係という一筋通った話だからであろう。

行間を読むことを許されるのであれば、題名である『チェイス』とは次のことを含んでいると考える。

  • 国税査察官が追い、脱税者が追われる関係
  • 春馬草輔(役:江口洋介)が追い、村雲修次(役:ARATA)が追われる関係
  • 父・春馬草輔が追い求め、娘・春馬鈴子(役:水野絵梨奈)が拒絶する関係
  • 息子・村雲修次が追い求め、母・澤村文子(役:りりィ)が否定する関係
  • 春馬草輔が追い求め、村雲修次が追い求められなかった、希望のともしび

 

親と子の間からあふれる希望、あたたかさ

村雲(役:ARATA)は、希望に暗闇の底を見出してしまった。

それでも村雲は、幼少時代、母(役:りりィ)のために作った木彫りの薔薇を受け取って欲しいと願った。

そのなかに忍ばせておいたメモ書き、『スイス銀行口座…サワムラフミコ』は母の手の中に握られることなく、今となっては黒い薔薇になってしまったその木彫りは、赤い薔薇へと変わることはなかった。

 

春馬(役:江口洋介)は、希望に陽の光を見出した。

株式投資の失敗で何千万円もの損失を被った娘を信じ許した父・春馬。

希望を追い求め、信じた春馬草輔、その娘・鈴子(役:水野絵梨奈)は第6回のなかで、春馬のスーツにアイロンをかけて春馬に言葉をかける。

「気をつけてね」

その姿はまるで春馬雪恵(役:木村多江)、母そのものであった。

 

親と子の関係に希望を見出したい。光のあたたかさを感じたい。

 

江口洋介主演 ドラマ『チェイス』に関する本サイトの記事

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  2. 江口洋介に引きこまれた
  3. 再放送のあり方に『マルサ』の査察を
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  5. 希望を追い求めて
  6. ドラマ『チェイス』の出演者:主演 江口洋介、ARATA、麻生久美子
  7. ドラマ『チェイス』の出演者:主演の関係者 田中圭、斎藤工、水野絵梨奈、木下ほうか、町田マリー、木村多江
  8. ドラマ『チェイス』の出演者:ゲスト 佐藤二朗、大浜直樹、石黒英雄、菅田俊、大島蓉子、石橋蓮司
  9. ドラマ『チェイス』の出演者:助演 益岡徹、奥田瑛二、中村嘉葎雄

 

以上

  • 記事名:江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【4】希望を追い求めて 2010年春
  • 記事更新日:2010年5月4日、その他、2016年1月26日、2016年3月2日、2016年6月30日、2017年4月1日
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江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【2】再放送のあり方に『マルサ』の査察を 2010年春

具体的な状況が、さらに人を引き込む

『マルサの女』で広く知られるようになった国税査察官

『チェイス』はその題名に含まれているとおり、国税査察官を中心としたその仕事にまつわる事件、そして人の物語である。

監督:伊丹十三(いたみ じゅうぞう)、主演:宮本信子(みやもと のぶこ)。夫婦で作り上げたという側面をもつ映画『マルサの女』。

その映画で広くその名を、その仕事を、その存在を知られることとなった国税査察官は少なくとも、今の私にはほとんど縁がない。しかし税の公正性、公平性という性格そしてその理想の実現を果たすべく努力を積み重ねる彼らの姿からは情熱がほとばしり、その熱気が見る者を包みこむかのようである。

『チェイス』に見る脱税の手口

『チェイス』の査察の場面では、どの場所にお金や鍵、印鑑が隠されているのかそれらの手口が詳細に描かれていた。しかし予想していたほどの脱税金額が見つからない。脱税者のその手口を江口洋介は見逃さない。

大邸宅のプールの水が、季節外れにきれいなことに目をつけスーツ姿で潜り込む。底にあったカバーを持ち上げると、プカプカと浮かんでくるわくるわの札の束。

普段接することのない、具体的な場面がその雰囲気を味合わせ、その世界へと人をいざなう。私は『チェイス』の世界に誘われた人になってしまった。

映画『マルサの女』の概要

  • 映画名称:『マルサの女』『マルサの女2』
  • 公開:1987年、1988年
  • 脚本:伊丹十三
  • 音楽:本多俊之
  • 監督:伊丹十三
  • 出演:宮本信子、津川雅彦、太地康雄、桜金造ほか
  • 出演:山崎努(『マルサの女』)、三國連太郎(『マルサの女2』)ほか

今は『マルサ』という言い方はしない、『マルサの女』で有名なったので、という趣旨の発言が『チェイス』第1回のなかで、東京国税局査察実施担当:内倉若葉(演者:町田マリー)から同じく査察内定担当:窪田鉄雄(演者:田中圭)に対してされている。

 

再放送のあり方 本当に素晴らしいものに小手先のやり方はむしろ邪魔だ

番組宣伝を見たいのではない。ドラマそのものが見たいのだ

最近のテレビの再放送は、本放送を見てもらうための呼び水にしか放送局は思っていないのではないか、と思うようなやり方がされている。

例えば『チェイス』の裏番組であるテレビドラマ『怪物くん』(主演:大野智)に関して。

20年以上前に放送されたテレビアニメ『怪物くん』を午後4時前後から再放送していたが、その再放送は、画面の右も左も帯にしてドラマ『怪物くん』のPRを映し出していた。これでは純粋にアニメ『怪物くん』は楽しめない。『怪物くん』を見ているのかコマーシャルを見ているのか分からないからだ。

それでも再放送があったから『チェイス』の本放送を見ることにした

この『チェイス』の再放送も多分に漏れず、画面の右上に終始、本放送の放送時間を表していた。自らが公共放送と名乗っているにもかかわらず、自らが進んで民放になろうとしているかのようで見苦しい。

このようなやり方に私は随分前から嫌気がさし、あきれ果て、本放送に興味関心をもてない理由の一つとなっている。だから再放送を見ることはもちろんのこと、再放送を見て本放送を見たいと思ったのは久しぶりのことである。

当日の午後9時50分からさっそく楽しみにして私は本放送を見た(放送開始は野球放送延長のため午後9時からではなかった)。見終わってからも『見てよかった』と余韻に浸ることができた。これもまた最近には珍しいことである。

 

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  5. 希望を追い求めて
  6. ドラマ『チェイス』の出演者:主演 江口洋介、ARATA、麻生久美子
  7. ドラマ『チェイス』の出演者:主演の関係者 田中圭、斎藤工、水野絵梨奈、木下ほうか、町田マリー、木村多江
  8. ドラマ『チェイス』の出演者:ゲスト 佐藤二朗、大浜直樹、石黒英雄、菅田俊、大島蓉子、石橋蓮司
  9. ドラマ『チェイス』の出演者:助演 益岡徹、奥田瑛二、中村嘉葎雄

 

以上

  • 記事名:江口洋介のドラマ『チェイス』を見た【2】再放送のあり方に『マルサ』の査察を 2010年春
  • 記事更新日:2010年5月4日、その他、2016年1月10日、2016年3月1日、2016年6月29日、2017年3月31日
  • 記事出典元:山上真のスマイルダイアリー