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クラシック 音楽

【上岡敏之】指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団『オルフ カルミナ・ブラーナ』を聴いた(すみだトリフォニーホール:東京都墨田区)2017年夏

2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール(東京・錦糸町)のチラシ
2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール(東京・錦糸町)のチラシ

 

親子連れが多かった。それでも騒がしくなかったことは素晴らしい。『子は行儀良く、親は躾良く』の表われであるならば、なおのこと素晴らしい。

演奏開始直前になって女二人が入ってきた。煩わしく、緊張感が薄れてこれだけでも嫌なのに。

それに呼応するかのように、1階前方に見える、動く婆。自由席でないのに空いているからといって座っていた席なのか。自分の正規の席がどこにあるのか分からない様子で(普段はホールに来ないのかもしれない)、着席済みの客にどこだか聞いていた。傍迷惑な婆だ。

 

ペルト『子どもの頃からの歌-少年少女合唱とピアノのための』

【東京スカイツリー】をJR・東京メトロ錦糸町駅(東京都墨田区)近く『アルカキット錦糸町』より見る 2017年7月29日13時過ぎ 曇り
【東京スカイツリー】をJR・東京メトロ錦糸町駅(東京都墨田区)近く『アルカキット錦糸町』より見る 2017年7月29日13時過ぎ 曇り

 

真実の意味でのぶっつけ本番で会場で初めて聴いた曲だから、この曲で乾杯できるかどうか疑問に思っていたが、恐れ入りました。それに応じたかのような指揮者の振る舞いも良い。終始退屈しない公演前半だった。

曲の始めから目頭が熱くなる。曲の途中では涙がこぼれた。終局の盛り上がり、これがまた素晴らしかった。

会場に雑音はあったが許容範囲のもので、私の周りにはまったくその類がなかったことも有難かった。

 

2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 錦糸町駅北口方面からすみだトリフォニーホールへ通じる通路の、公演前の様子
2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 錦糸町駅北口方面からすみだトリフォニーホールへ通じる通路の、公演前の様子

 

ソリストは先に礼をし、ソリストに宛ててその都度拍手あり。ピアノも合間合間に拍手していた。曲が終わると子供たちはさっさと下がっていったが、彼ら彼女らに最後まで大きな拍手が続いた。

 

緊張が伺える顔や声、うろちょろする顔、所在なさ気な顔、笑顔。『年頃だから仕方がない』としてもいいではないか、それでもいいと思える演奏会だった。

彼ら彼女らを見て、子のいる親を羨ましく思った。素晴らしい。

 

2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 錦糸町駅北口方面からすみだトリフォニーホールへ通じる通路の、公演前の様子02
2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 錦糸町駅北口方面からすみだトリフォニーホールへ通じる通路の、公演前の様子02

 

上岡敏之のピアノ。これは楽しみにしていたもので、少し音が固く聴こえることもあったが良い時間だった。指揮者ともども笑顔も良い。彼のピアノの再び、を楽しみにしたい。

 

本公演の少し前に行われた、2017年7月15日の新日本フィル公演(指揮:秋山和慶)では、すみだトリフォニーホールにピアノのパスカル・ロジェを迎えたサン=サーンス『ピアノ協奏曲第5番 エジプト風』を聴いた。終始音が硬くて私は首をひねり、ぼーっとして、楽しい時間を過ごすことができなかった。

このロジェの公演では、1階(後方)で聴いていた。

本年5月に聴いた同じ会場の、新日本フィル公演のピアノ協奏曲でも、ピアノの音が硬くて不満だった。

これも同じく1階(前方)で聴いていたもの。

もしやと思っていたのだが、そのもしやが当たってしまった。私の耳では、すみだトリフォニーホールの1階ではどうやらピアノの音を楽しむことができないようだ。公演そのものが私にとっては残念なものになってしまった。

 

本公演は2階で上岡敏之のピアノを聴いたもので、たかが3度聴いた程度で言うことでもないのだろうが、私にとっては、すみだトリフォニーホールの1階でピアノを聴くものではないという結論を出した。

世界的な人気がありながら日本での人気は今一つの某ピアニストのリサイタルで(会場の入りは9割にも達しなかった。前売券の売れ行きも鈍かったので、8割ほどの客の入りを見て驚いたぐらいだ)、同じ会場の1階に、某若手日本人ピアニストや某オーケストラのメンバーがいるのを見たものだから、私は音楽そのものを聴いてはいけないのではないかと思わなくもないのだが、音楽は真っ当な理由がなくても、生きもすれば死にもすると思うから仕方がない。

 

2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール出入口の、公演前の様子
2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール出入口の、公演前の様子

 

オルフ『カルミナ・ブラーナ』

2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール(東京・錦糸町)ホール出入口に掲示されたチラシとタイムスケジュール
2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 すみだトリフォニーホール(東京・錦糸町)ホール出入口に掲示されたチラシとタイムスケジュール

 

『カルミナ・ブラーナ』は苦手な曲なのに、指揮が上岡敏之だからということで早くからチケットを購入した本公演。ただの一度も眠ることなく、眠気も生じず、終始楽しかった。気分が良かった。あっという間の60分。

 

楽譜を持ちながら、バリトンは良い声が出ていた。

テノールが歌う場面は、私はこの曲に関心がほとんどないため知らなかったが、深刻な内容の歌詞の場面で、なぜオーケストラは無表情なのかと思っていたことも含めて、私は笑ってしまった。ごめんなさいとも思ったが、そういう人もいた様子で少し気が紛れた。

 

2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 公演後のホール出入口の様子
2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 公演後のホール出入口の様子

 

本公演の前に知ったなかで最も気に入った『カルミナ・ブラーナ』の演奏は、指揮アンタル・ドラティのものだ。それでも、今現在それを聴いてもどうということはなかった。元々この曲に興味関心があまりないのだから仕方がない。劇的な生の演奏、声を聴いた本公演の、夢に酔いしれ覚めた結果だろう。

夢に酔いしれることのできる機会を持てる、当事者になること(現場に足を運び体感すること)は素晴らしいことなのだ、と改めて思う。その機会を得られた子供たちは、たとえ今現在どうということはなくても、時を経て、その花を咲かせるのではないか。

 

いつもの公演とは異なる年齢層の低さ、若々しさ、将来への希望を含めて、嬉しい心持ちで本公演を後にすることができた。

 

2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 公演後のホール出入口の様子02
2017年7月29日『すみだサマーコンサート2017』新日本フィルハーモニー交響楽団 公演後のホール出入口の様子02

 

音楽会『すみだサマーコンサート2017~わが街のオーケストラ~』の概要

  • 音楽会『すみだサマーコンサート2017~わが街のオーケストラ~』
  • 日時:2017年7月29日 土曜日 14時-16時8分
  • 場所:すみだトリフォニーホール 東京・錦糸町
  • 主催:公益財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団、すみだトリフォニーホール
  • 後援:墨田区教育委員会
  • 管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団
  • コンサートマスター:豊嶋泰嗣
  • ロビーコンサートあり
  • 演目1:ペルト『子どもの頃からの歌-少年少女合唱とピアノのための』
  • 演目1に関する(★まで同じ)、合唱:すみだ少年少女合唱団
  • ピアノ:上岡敏之
  • ★指揮:甲田潤
  • 演目2:オルフ『カルミナ・ブラーナ』
  • 演目2に関する(★★まで同じ)、ソプラノ:安井陽子
  • テノール:絹川文仁
  • バリトン:青山貴
  • 児童合唱:すみだ少年少女合唱団
  • 合唱:栗友会合唱団
  • 児童合唱指揮:甲田潤
  • 合唱指揮:栗山文昭
  • ★★指揮:上岡敏之

本記事参考サイト:すみだサマーコンサート2017~わが街のオーケストラ~ | 新日本フィルハーモニー交響楽団

  • サイト管理者:公益財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団
  • サイトアドレス:2017年9月11日現在 https://www.njp.or.jp/archives/4497
【東京スカイツリー】をJR・東京メトロ錦糸町駅(東京都墨田区)近く『アルカキット錦糸町』より見る 2017年7月29日16時過ぎ 雨
【東京スカイツリー】をJR・東京メトロ錦糸町駅(東京都墨田区)近く『アルカキット錦糸町』より見る 2017年7月29日16時過ぎ 雨

 

『すみだサマーコンサート2017わが街のオーケストラ』パンプレット:2017年7月29日新日本フィルハーモニー交響楽団、上岡敏之指揮『ペルト 子どもの頃からの歌-少年少女合唱とピアノのための』『オルフ カルミナ・ブラーナ』
『すみだサマーコンサート2017わが街のオーケストラ』パンプレット:2017年7月29日新日本フィルハーモニー交響楽団、上岡敏之指揮『ペルト 子どもの頃からの歌-少年少女合唱とピアノのための』『オルフ カルミナ・ブラーナ』

 

以上

  • 記事名:【上岡敏之】指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団『オルフ カルミナ・ブラーナ』を聴いた(すみだトリフォニーホール:東京都墨田区)2017年夏
  • 記事更新日:2017年9月11日、2017年9月12日、2017年9月13日
  • 記事出典元:山上真オフィシャルサイト
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芸術

【ロダン】の彫刻『地獄の門』『エヴァ』(国立西洋美術館)上野駅 2017年夏

オーギュスト・ロダン『地獄の門』

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『地獄の門』を正面から観る。縦5メートル40センチ、横3メートル90センチ。

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『地獄の門』。

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『地獄の門』を右斜から観る。

縦5メートル40センチ、横3メートル90センチ。

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『地獄の門』の上方を観る。国立西洋美術館公式サイトによると、同じ前庭に設置されている同じ作者の『考える人』は、本作品のこの部分を拡大したものであるとのこと。

国立西洋美術館公式サイトによると、同じ前庭に設置されている同じ作者の『考える人』は、本作品の【この部分】を拡大したものであるとのこと。

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『考える人』。

こちらは国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『考える人』(写真撮影日2017年7月15日)。

本記事参考サイト:オーギュスト・ロダン | 地獄の門 | 収蔵作品 | 国立西洋美術館

  • サイト運営管理者:独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
  • サイトアドレス:2019年9月26日時点。
  • http://collection.nmwa.go.jp/S.1959-0045.html

オーギュスト・ロダン『エヴァ』 

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『エヴァ』を後ろから観る。本作品は『地獄の門』の隣に設置されている。

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『エヴァ』。

本作品は『地獄の門』の隣に設置されている。

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『エヴァ』を後ろから観る。国立西洋美術館公式サイトによると、本作品の元は『アダム』とともに『地獄の門』の脇に立てるためのものであったとのこと。背中、お尻が美しい。

国立西洋美術館公式サイトによると、本作品の元は『アダム』とともに『地獄の門』の脇に立てるためのものであったとのこと。背中、お尻が美しい。

国立西洋美術館(東京都台東区)の前庭に設置された、オーギュスト・ロダンの彫刻『エヴァ』を後ろから観る。

本記事参考サイト:オーギュスト・ロダン | エヴァ | 収蔵作品 | 国立西洋美術館

  • サイト運営管理者:独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
  • サイトアドレス:2019年9月26日時点。
  • http://collection.nmwa.go.jp/S.1959-0018.html

国立西洋美術館の概要

  • 名称:国立西洋美術館
  • 住所:〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7
  • 交通アクセス1:JR 上野駅 公園口出口より徒歩1分
  • 交通アクセス2:京成電鉄 京成上野駅 徒歩7分
  • 交通アクセス3:東京メトロ銀座線・日比谷線 上野駅 徒歩8分
  • 地図:【Google Map】https://goo.gl/maps/vxssCuUxKir

本記事関連サイト:国立西洋美術館

  • サイト運営管理者:独立行政法人国立美術館国立西洋美術館
  • サイトアドレス:2019年9月27日時点。
  • http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html

本記事の名称、更新日、出典元、写真撮影日

■ 記事名称:【ロダン】の彫刻『地獄の門』『エヴァ』(国立西洋美術館)上野駅 2017年夏

(旧:オーギュスト・ロダンの彫刻【地獄の門】【エヴァ】を観た(国立西洋美術館:東京都台東区)2017年夏)

■ 記事更新日:2017年9月10日、2019年9月26日

■ 記事出典元:山上真オフィシャルサイト

■ 写真撮影日:2017年7月29日、2017年7月15日

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展覧会2017年:平成29年

展覧会【藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!】を観た 2時間では足らない(東京藝術大学美術館:東京都台東区)2017年夏

平櫛田中があるから行け!と思った本展

上野恩賜公園(東京都台東区)に掲示されていた『藝「大」コレクション』の看板。本展チラシの表紙と同じデザインである。看板向かって中段左に見える木の色の作品が平櫛田中『活人箭』。平櫛田中の作品を観たくて本展に足を運んだ。素晴らしい時間だった。
上野恩賜公園(東京都台東区)に掲示されていた『藝「大」コレクション』の看板。本展チラシの表紙と同じデザインである。看板向かって中段左に見える木の色の作品が平櫛田中『活人箭』。平櫛田中の作品を観たくて本展に足を運んだ。素晴らしい時間だった。

 

たまたま手に取った本展チラシで、平櫛田中(ひらくし でんちゅう)の作品が出展されることを知った。

『活人箭』(師岡倉天心や藝大とのやり取り、作品の元の話も興味深い)

『禾山笑』(豪快な笑い顔を四方八方から見たくなる)

直感でこれだ、行け!と思った本展は、やはり良かった。

本記事参考サイト:小平市平櫛田中彫刻美術館

  • 備考:平櫛田中が晩年、亡くなるまで過ごした自宅がこの美術館の一部になっています。
  • サイト管理者:東京都小平市
  • サイトアドレス:2017年8月25日現在(リンク設定の考え方について詳細不明のためリンク設定をしない)
    http://denchu-museum.jp/

本記事参考サイト:田中美術館 | 井原市

  • 備考:岡山県井原市は、彫刻家・平櫛田中が生まれた場所です。
  • サイト管理者:岡山県井原市
  • サイトアドレス:2017年8月25日現在(事後連絡を求めているためリンク設定をしない)
    http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/

 

昨年2016年の今頃、本展と同じ会場で『平櫛田中コレクション展』が開催されていたことを初めて知った。その展覧会では併せて東京藝術大学の根付コレクションも出展されたとのことだから、その時に知っていれば、喜んで会場へ足を運んでいたであろう。

行くこと叶わず残念だったが、本展『藝「大」コレクション』で平櫛田中の作品を自分の目で見ることができたのだから良かったのだ。今回はたまたまの縁を活かせたではないか。

本記事参考サイト:平櫛田中コレクション展

  • 備考:『平櫛田中コレクション展』は2016年7月5日-8月7日、東京藝術大学美術館(東京・上野)にて開催されました。公式サイトで見られる『兎の親子』の根付が可愛らしいです。
  • サイト管理者:東京藝術大学
  • サイトアドレス:2017年8月25日現在
    http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2016/denchu2016/denchu2016_ja.htm

 

東京藝術大学(東京都台東区)の美術学部の正面出入口。この真向かいに同大学の音楽学部がある。写真向かって右手にある建物が東京藝術大学美術館である。
東京藝術大学(東京都台東区)の美術学部の正面出入口。この真向かいに同大学の音楽学部がある。写真向かって右手にある建物が東京藝術大学美術館である。

 

私にとって平櫛田中は、失礼ながら、なぜ名前が『たなか』なのか、というところから始まっている。『ひらくし』すら読めなかった。

『でんちゅう』と読めるようになったのは、そして彼の素晴らしい作品を知ることができたのはテレビ番組『美の巨人たち』のおかげだ。

2007年1月20日土曜日に放送されたとのこと。十年一昔。バックナンバーとして本回『平櫛田中「鏡獅子」』のページを削除せずに公式サイトに保存しているテレビ東京、『美の巨人たち』スタッフほか関係者も素晴らしい。

なお平櫛田中はその本名を田中倬太郎といい、平櫛家の養子となった後に『田中』と号したとのこと。

本記事参考サイト:KIRIN~美の巨人たち~ 公式サイトにおける、バックナンバー『平櫛田中「鏡獅子」』

  • サイト管理者:テレビ東京
  • サイトアドレス:2017年8月25日現在
    http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/backnumber/070120/

 

自画像、現代に生きる作家の作品

東京藝術大学(東京都台東区)の美術学部の正面出入口。金属製の各文字が壁に貼り付けられて『東京藝術大学』と表示されている。真向かいにある音楽学部のそれとは趣きが異なる。
東京藝術大学(東京都台東区)の美術学部の正面出入口。金属製の各文字が壁に貼り付けられて『東京藝術大学』と表示されている。真向かいにある音楽学部のそれとは趣きが異なる。

 

現代作家の自画像も良かった。

『自』とは何かを考えさせられる。

自画像と言えば、顔を中心とした人の上半身を疑いもなく頭に思い浮かべていたが、『自』であるわけだから、そうでなくても構わないわけだ。

その中では、初めて知った作家、冨谷悦子が特に印象深い。

別の作者の携帯電話を使用した『自画像』も面白かった。これも確かに『自』だ。

 

少なからずの人が足を止めていた、町田美菜穂『首都っ娘』。

本作品のある会場に入った際は聞こえてくる音が耳障りで嫌な思いをしたが、その音を発していた本作品に近づいてみるとその理由が分かった。面白い。次のイベントがあったのでじっくり観ることができず残念だった。

 

この内容で2時間では足らず、一般800円(高校・大学生500円)では安い

東京藝術大学(東京都台東区)。昔使っていた学名の看板であろうか。詳細不明。同じような看板は現在音楽学部にて使われている。北に東京国立博物館黒田記念館、東に京成電鉄博物館動物園駅(2004年に廃止された)、南に旧東京音楽大学奏楽堂の各所がある十字路の西側にある。
東京藝術大学(東京都台東区)。昔使っていた学名の看板であろうか。詳細不明。同じような看板は現在音楽学部にて使われている。北に東京国立博物館黒田記念館、東に京成電鉄博物館動物園駅(2004年に廃止された)、南に旧東京音楽大学奏楽堂の各所がある十字路の西側にある。

 

週末土曜日に客数はほどほどで、会場が客で溢れかえっているわけではないからゆっくりと観られることも良い。余計に2時間では足りないそのような雰囲気が素晴らしい。

客の質も良かった。自分だけがいい思いをしようと見受けられる客、例えば見ている人の前を横切ったりする奴、大声で話し合っている奴らは、皆無であった。

 

会場にて無料で入手できる『出品リスト』によると、本展の概要は次のとおりである。なおこの『出品リスト』は本展の公式サイトページ(東京藝術大学公式サイト内)でもPDFファイル版をダウンロードできる。

  • 名品編
  • パンドラの箱
  • 美校の仏教彫刻コレクション
  • 「平櫛田中コレクション」展示活動の歩みと関連作品
  • 卒業制作-作家の原点
  • 現代作家の若き日の自画像
  • 真似から学ぶ、比べて学ぶ
  • 石膏原型一挙開催
  • 藝大コレクションの修復-近年の取り組み
  • 新収蔵品紹介
  • 藤田嗣治資料
  • 記録と制作-ガラス乾板・紙焼き写真資料から見る東京美術学校

 

以下、私が特に印象に残った作品をメモする。各作品の情報は『出品リスト』による。

名品編

『蜀江錦』『広東裂』『広東錦』

色がきれい。見事な赤色の鮮やかさ。ボロボロだけれど色だけ見れば、さほど時代を感じさせない。

  • 作家名:空欄
  • 作品名:『蜀江錦』『広東裂』『広東錦』
  • 制作年代:いずれも飛鳥時代
  • 材料・技法:いずれも絹
  • 指定:国指定重要文化財

『浄瑠璃寺吉祥天厨子絵(後壁)』

本展チラシに掲載されている。

  • 作家名:空欄
  • 作品名:『浄瑠璃寺吉祥天厨子絵(後壁)』
  • 制作年代:鎌倉時代
  • 材料・技法:板絵彩色
  • 指定:国指定重要文化財

高橋由一『美人(花魁)』

高橋由一が有名な『鮭』を制作する5年ほど前の作品。

本作品が展示されていた場所には、原田直次郎『靴屋の親爺』、黒田清輝『婦人像(厨房)』浅井忠『収穫』があって、いずれも素晴らしいものと思えて良かったが、私にはこの高橋由一『美人(花魁)』が一際輝いて見えた。

私にとっては美人には思えない顔だが、彼女の着飾った華やかさと背景の憂鬱さが彼女の存在そのものを美人とさせているように思えてならない。

  • 作家名:高橋由一
  • 作品名:『美人(花魁)』
  • 制作年代:明治5年
  • 材料・技法:カンバス 油彩
  • 指定:国指定重要文化財

鏑木清方『一葉』

鏑木清方による歴史上の人物の作品や樋口一葉自身にあまり興味関心がないので、本作品に惹かれたことはどうしたことか。美人画だけではない、鏑木清方の人物画に興味関心がもてる良い機会になるかもしれない。

  • 作家名:鏑木清方
  • 作品名:『一葉』
  • 制作年代:昭和15年
  • 材料・技法:絹本彩色
  • 指定:なし

小倉遊亀『径』

本展チラシに掲載されている。

本展の少し前に東京国立近代美術館(東京・九段下)の常設展で小倉遊亀『浴女 その一』『浴女 そのニ』を観たこともあって、本作品は本展の楽しみの一つだった。

この作品をまるで独り占めしたかのような、ゆっくりとじっくりと見られる空間であったことに感謝したい。近くで見れば、こちらはサラッとした質感であちらはザラッとしていると分かり、遠くから見れば、仲の良い母、娘、犬が暑い中を一つのところに向かっているのではないか、そうした一情景を思い浮かべることができる。

この作品を観たご婦人が「やっぱり良いわねえ」と言っていた。そのとおりだ。

  • 作家名:小倉遊亀
  • 作品名:『径』
  • 制作年代:昭和41年
  • 材料・技法:板 彩色
  • 指定:なし

 

パンドラの箱

『彩文幾何学文ピュクシス』

作品を目にしただけでは、いつごろの作品かは分からない。驚きだ。

  • 作家名:空欄
  • 作品名:『彩文幾何学文ピュクシス』
  • 制作年代:前9-前8世紀
  • 材料・技法:粘土
  • 指定:なし

 

「平櫛田中コレクション」展示活動の歩みと関連作品

田中太郎『ないしょう話』

  • 作家名:田中太郎
  • 作品名:『ないしょう話』
  • 制作年代:昭和34年
  • 材料・技法:木 淡彩
  • 指定:なし

平櫛田中『禾山笑』

『禾山』は臨済宗の僧侶・西山禾山(にしやま かさん。またはにしやま かざん)(1838 – 1917)のこと。彼は平櫛田中に思想的な影響を与えた。彼が口を大きく開けて笑っている姿が本作品である。

  • 作家名:平櫛田中
  • 作品名:『禾山笑』
  • 制作年代:大正3年
  • 材料・技法:木
  • 指定:なし

平櫛田中『活人箭』

本展チラシに掲載されている。

本作品は臨済宗の僧侶・西山禾山に教えられた故事に題材にして作られたもの。

  • 作家名:平櫛田中
  • 作品名:『活人箭』
  • 制作年代:明治41年原型製作(石膏)、昭和37年木彫で再現
  • 材料・技法:上記による
  • 指定:なし

 

卒業制作-作家の原点

高山辰雄『砂丘』

大きな作品。砂丘に腰を落としこちらを見ている女学生の顔が女優の杏に似ている。

  • 作家名:高山辰雄
  • 作品名:『砂丘』
  • 制作年代:昭和11年
  • 材料・技法:絹本彩色
  • 指定:なし

白滝幾之助『稽古』

初めて知った洋画家。女の子が三味線の稽古をつけてもらっている。周りに同年代の女の子が数名いる。

東京の下町の風俗を題材にした本作品。プライバシーも何もあったもんじゃなかっただろうが、このような雰囲気を嫌だとも思わない。柔らかく品がある。

  • 作家名:白滝幾之助
  • 作品名:『稽古』
  • 制作年代:明治30年
  • 材料・技法:カンバス 油彩
  • 指定:なし

板谷波山『元禄美人像』

  • 作家名:板谷波山
  • 作品名:『元禄美人像』
  • 制作年代:明治27年
  • 材料・技法:木
  • 指定:なし

石田英一『銅製群兎置物』

  • 作家名:石田英一
  • 作品名:『銅製群兎置物』
  • 制作年代:明治33年
  • 材料・技法:銅 鍛造 付属:紫壇製台
  • 指定:なし

吉田五十八『レクチュアホール』

  • 作家名:吉田五十八
  • 作品名:『レクチュアホール』
  • 制作年代:大正12年
  • 材料・技法:紙 インク 一部淡彩
  • 指定:なし

前沢幸恵『憧憬』

  • 作家名:前沢幸恵
  • 作品名:『憧憬』
  • 制作年代:平成23年
  • 材料・技法:陶土(赤土)タタラ成形による貼り合わせ 赤土に白化粧をかける(粉引)還元焔落とし焼成
  • 指定:なし

町田美菜穂『首都っ娘-首都高速道路擬人化プロジェクト』

  • 作家名:町田美菜穂
  • 作品名:『首都っ娘-首都高速道路擬人化プロジェクト』
  • 制作年代:平成27年
  • 材料・技法:ミクストメディア
  • 指定:なし

 

現代作家の若き日の自画像

村上隆『自画像』

本展チラシに掲載されている。

  • 作家名:村上隆
  • 作品名:『自画像』
  • 制作年代:昭和61年
  • 材料・技法:紙本彩色
  • 指定:なし

山口晃『自画像』

本展チラシに掲載されている。

  • 作家名:山口晃
  • 作品名:『自画像』
  • 制作年代:平成6年
  • 材料・技法:カンバス 油彩
  • 指定:なし

松井冬子『自画像』

本展チラシに掲載されている。

  • 作家名:松井冬子
  • 作品名:『自画像』
  • 制作年代:平成14年
  • 材料・技法:紙本彩色
  • 指定:なし

冨谷悦子『自画像』

  • 作家名:冨谷悦子
  • 作品名:『自画像』
  • 制作年代:平成17年
  • 材料・技法:エッチング
  • 指定:なし

 

石膏原型一挙開催

ヴィンチェンツォ・ラグーザ『日本夫人』

ブロンズの本作品の乳首の部分の色が他の部分と違って見えたのは、私のすけべ心がそうさせたのかどうなのか。

  • 作家名:ヴィンチェンツォ・ラグーザ
  • 作品名:『日本夫人』
  • 制作年代:明治13年(石膏)、昭和33年鋳造(ブロンズ)
  • 材料・技法:上記による
  • 指定:石膏の作品について、国指定重要文化財

 

藝大コレクションの修復-近年の取り組み

葛揆一郎『外科手術』

  • 作家名:葛揆一郎
  • 作品名:『外科手術』
  • 制作年代:明治37年
  • 材料・技法:絹本彩色
  • 指定:なし

 

私は本展会場にて初めて知ったが、上村松園『序の舞』を所有者である東京藝術大学が修理をしている。一般公開は来年2018年春が予定されている。

同名の映画(監督:中島貞夫、脚本:松田寛夫、音楽:黛敏郎、主演:名取裕子)で上村松園、『序の舞』を知ったのが20年ほど前、テレビ地上波の年末年始の深夜放送であったか。未だに現物を観たことがないので、これも『行け!』という縁なのだろう。

 

展覧会『藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!』の概要

  • 展覧会『藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!』
  • 日時:2017年7月11日ー年8月6日、2017年8月11日ー9月10日 10時から17時まで(入場は16時30分まで)。ただし7月11日は18時まで(入場は17時30分まで)。
  • 休館日は月曜日、7月18日。ただし7月17日は開館。
  • 場所:東京藝術大学美術館(東京都台東区)
  • 当日料金:一般800円、大学生・高校生500円。中学生以下は無料。障害者手帳の提示者、およびその付添者1名は無料。

本記事参考サイト:東京藝術大学創立130周年記念特別展 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!

  • サイト管理者:東京藝術大学
  • サイトアドレス:2017年8月25日現在
    http://www.geidai.ac.jp/museum/exhibit/2017/collection17/collection17_ja.htm
東京藝術大学(東京都台東区)の芸術学部の構内に設置された展覧会『藝「大」コレクション』ほかのポスター。
東京藝術大学(東京都台東区)の芸術学部の構内に設置された展覧会『藝「大」コレクション』ほかのポスター。

 

東京藝術大学美術館の概要

  • 名称:東京藝術大学美術館
  • 住所:〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
  • 交通アクセス1:JR上野駅 公園口より徒歩10分
  • 交通アクセス2:東京メトロ千代田線根津駅 1番出口より徒歩10分
  • 交通アクセス3:JR鶯谷駅 南口より徒歩12分
  • 交通アクセス4:京成電鉄京成上野駅 公園口より徒歩15分
  • 交通アクセス5:東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅 7番出口より徒歩15分
  • 地図:【Google Map】https://goo.gl/maps/vJP1fj4ZT682

本記事関連サイト:東京藝術大学大学美術館 The University Art Museum, Tokyo University of the Arts

  • サイト管理者:東京藝術大学
  • サイトアドレス:2017年8月25日現在
    http://www.geidai.ac.jp/museum/
東京藝術大学美術館(東京都台東区)の出入口にある看板とシンボルマーク。
東京藝術大学美術館(東京都台東区)の出入口にある看板とシンボルマーク。

 

以上

  • 記事名:展覧会【藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!】を観た 2時間では足らない(東京藝術大学美術館:東京都台東区)2017年夏
  • 記事更新日:★2017年8月2日、2017年8月10日、2017年8月25日
  • 記事出典元:★Twitter 山上真@makotomys、山上真オフィシャルサイト