2017年1月13日 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団公演 東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)チラシ

【高関健】指揮・東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団『ベートーヴェン交響曲第3番』を聴いた 初めから涙あふれる 2017年冬

『ベートーヴェンと武満』公演

2017年1月13日 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団公演 東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)チラシ
2017年1月13日 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団公演 東京オペラシティコンサートホール(東京・初台)チラシ

 

正月の雰囲気をホールで感じる

2017年1月13日 金曜日

本公演の会場である東京オペラシティコンサートホールの1階から3階までのすべての階に、和紙製の凧が多数、飾られていた。子供の頃、正月に毎年近所や多摩川で上げていた凧を見るのは久しぶりで嬉しい。おめでたい季節感があって良い。

これは、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の公式Twitterで写真を見ることができる。

 

客席の埋まり具合は5割ほど

新春であることを踏まえれば、5割ほどという客席の埋まり具合は余計に寂しい。ひどい。

その分、マナーの悪い客や体調不良の客(特に、口を抑えずに咳やくしゃみを遠慮なく、何度もする奴)が少なくなる、と考えればメリットだ。最近はそう思うようにしている。

ただし、満席またはそれに近い客数である場合の、オーケストラや指揮者の燃え具合、気合の入り具合と比較して、どちらが良いのかは即答できない。

 

最近では、1,500席から2,000席のホールの広さそのものが疑問に思えてきた。1,000席前後でよいのではないか。

 

私が座った席の場所のデメリット

私が座った本公演の席は、3階のR席前列。

これまでに求めた席は、1階または2,3階の正面席。初めて、東京オペラシティコンサートホールのサイド席に座ることになった。

その席からは、背もたれに背中を付けた普通の座り方をすると、指揮者の姿を見ることができない。ソリストも見えない。コンサートマスターは手すりの間からではあるが、表情を含めてよく見ることができる。

この席からは、ステージ向かって右側はまったく見えない。

隣の席に人が居なければ、身体の置き方次第で、指揮者やソリストを見ることができる。本公演で確認済み。

L席からであれば、普通の座り方でも指揮者やソリストは見えるかもしれない。

演奏の聞こえ方は、場所や料金などを踏まえれば、私にとっては問題なし。『心が動かされることはありえない場所だ』ということはない聞こえ方だ。

 

私は演奏中は原則として、指揮者を中心としてオーケストラを見ながら演奏を聴くため、正直に言えば、この席は厳しい。客の入り、チケットの売れ具合を事前に把握しながら、席を選べば、その点の心配を和らげられる可能性が高い。

なお、休憩時に現場で確認したところ、1階のA席(後方部。サイド部)は2階天井の下に席があるためその分暗くて開放感はないが、聞く分には問題がなさそうで、試す価値がありそう。

 

ホールでの服装、マスク

室内に入るわけだから、当然のことながら上着を脱ぐ。

そうすると本公演で私が着ていたのは、タートルネックのセーターの上に、カーディガンということになる。

ホールに入った時は、その格好でも良いと思っていたが、指揮者高関健によるプレトークが始まる前に暑いと感じたためカーディガンを脱いで、タートルネックのセーター(と肌着)のみで演奏会が終わるまで過ごしていた。問題なかった。

演奏会が終わって、21時前になっていたため外はとても寒いだろうと思い、ホールを出る前にカーディガンと上着を羽織り、マフラーをして外に出た。それでも寒かったのは仕方がない。

 

冬場に外に出る際は、そのままでは喉を痛めてしまうため、必ずマスクを着用する。他方で、メガネが曇ってどうしようもない場合や口周りが暑苦しくて仕方がない場合があるため、室内にいる際にはマスクを外すこともある。

本公演では、咳をあまり耳にしなかったことや、強く乾いた感じがしなかったため、マスクをはずして全公演を過ごした。それでも、その後に喉に悪い影響はなかった。

 

新宿ワシントンホテル本館あたりより見た、1月の17時半頃の東京都庁舎(東京・新宿)
新宿ワシントンホテル本館あたりより見た、1月13日17時半頃の東京都庁舎(東京・新宿)

 

案内係にお願いされても『2階、3階のサイド席で身を乗り出して聞く奴ら』に大きな顔はされたくない

公演開始直前と後半直前の2回、案内係が直接口頭でお願いをしているにも関わらず、2、3階に身を乗り出して聞いている奴(座席の背もたれに背をつけないで演奏を聞く方法)が数名いた。

特に、3階L席後列のステージ寄りにいた、黒ずくめでメガネを掛けた男。身を乗り出して聞いていた極めてふざけたやつだ。

周りに人が居ないからやっていいのだというのでは、下手をしたら何をやっても許されることになる。こういうやつが大きな顔をしてブログやFacebookやTwitterで「この公演は素晴らしかった」「席がスカスカでだめだ」「客を呼び込む工夫が欲しい」などと、仮に、したり顔で言っているならば、クラシック音楽会に足を運ぶ人は減る一方だと思う。言動不一致。

少なくとも私は、こんなふざけた奴の姿を目にするために音楽会に行く訳にはいかないから、今後、東京シティフィルの音楽会に行くかどうか、ためらいが出てしまうかもしれない。

係員が演奏中に、このふざけた奴の姿が見えていないとは考えられないのだがどうなのだろう。楽章の間に声を掛けてもらうわけにはいかないのだろうか(『現行犯』ではければシラを切られて、あるいは逆ギレされそうで、対応が難しいだろうと思われるため)。

 

そういえば、2015年5月の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の飯守泰次郎指揮の『ブルックナー交響曲第8番』公演では、公演前に、ステージ横の3階サイド席から物をステージに落とした客がいた。

『ズドン』と鈍く、大きな音がして、その会場全体がなんとも言えない雰囲気になった。不幸中の幸いで、物が落ちた場所には人もいなければ、楽器も置かれていなかったが、人が居たら物が置かれていたら、どうなったのだろう。

その客は元の席に着席して演奏を聞いていたが、何を思って聞いていたのだろう。

何かあってからでは、遅い。

 

座席での振る舞い方、席を離れる際のあり方

本公演の休憩中の移動の際に、他の座席を見たら、盗まれたら自己責任のカバンやチラシが置いてあることはともかく、上着が雑に広げて座席に置かれていたことが不快だった。1席2席ではないところが余計に不快だ。

演奏中には、自分の隣の座席の上に上着を置いたり(2階L席の女)、カバンを置いたりする奴(P席の女。ステージの上の場所でありライトが当たっているから、すべての客が知ることのできる状況であった)がいたのも不快だった。

特に、P席は公演前から売り切れているのだから、カバンを置くぐらいだったらその席を他の人に譲ってあげればいいのに。その人はその席も買っているのかもしれないが、物置のための席ならば『音楽会』の意味がない。「チケットが1席でも売れるほうが、東京シティフィルにとっては良いでしょ!」と思っているのだろうか。それならば開き直りだ。

 

女性は特に、クロークを利用しない人が多いように見受ける。クロークに並んでいる人の7,8割は男のように思う。カバンはともかく、上着は預けてもいいでしょう。

座席の下に荷物を置くのであればともかく、自分の膝の上に荷物(カバンのみならず上着も)を演奏中に置き続ける人が多いのは一体どういうことなのか。寝る人もいるでしょうに。

 

『他人への寛容の精神を持つべきだ』と言う人がいるようだが、その荷物が膝の上から落ちた時の音の大きさで演奏そのものの良さを壊される可能性が高いことや(一人だけならともかく、1公演中に数度もそんなことがあると本当に嫌になって参ってしまう。何を聞きに来たんだっけ、荷物が落ちる音だっけ、幸せって何だっけとなる)、そのような嫌なことを思いながらハラハラしてその姿を目の当たりにして演奏を聞いていることが小さくないストレスであることは、『寛容の精神を』と言っている人が思っている以上に大きい。

目を瞑って聞こうが、目を見開いてステージ上のソリストやオーケストラ、指揮者の姿を見て聞こうが、個々の客の心のままにである。「目に入ってくる光景が邪魔ならば目を瞑って聞けばいい」などと思われたくもない。

 

正月の寒い時期としては、邪魔になる咳の音はあまりなかった

咳もあったが、許容範囲であった。鈴の音は1回したか。物が落ちた音やビニール袋の音はなかった。

相変わらず年寄りが多いこと多いこと。それでも咳が思っていたほどなかったのはありがたかった。マナーを守ろうとする人たち、人様に迷惑をかけてはいけないと思う人たちが多かった、と理解している。

 

指揮:高関健

高関健によるプレトーク

18時40分過ぎから18時52分まで

以下、覚えている限りで、話の一部の主旨を述べる。

冒頭、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の常任指揮者として「今年も多くのお客様に聴いていただきたい」と挨拶をすると、会場から拍手が起こった。

演奏会の全体の時間は長くはないが「奏者には大きな集中力が求められる2曲です。」

武満徹の『オリオンとプレアデス』は彼が海外留学中、初演を会場で聴いた(この件について、当方うろ覚え。会場で配布された演奏会の冊子には『初演は1894年5月(パリ、シャンゼリゼ劇場)、堤剛の独奏、尾高忠明指揮の東京フィルハーモニー交響楽団による』と記載されているため、彼が聴いた会場はドイツであろうか)。

「『英雄』は、楽譜のままに演奏します。第1楽章は繰り返します。」

「演奏が飽きられないようにしなければいけませんが、飽きたら寝てください」のところでプレトーク唯一の笑いが、客席から起こった。会場はリラックスしているように見受けられた。

 

演奏中の彼を見て

指揮者は『英雄』ではタクトなし。『オリオンとプレアデス』では、見づらい場所にいて見ていないので分からない。

やっぱり高関健の指揮の姿を見て、昭和のいる・こいるを思い出した。2016年3月の東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の『ドヴォルジャーク レクイエム』で彼の指揮の姿を見た時にも思ったこと。それでも演奏中は笑わないが、終わってから思い出し笑いをした。

 

公演関係者による、公演前の案内がどれだけ大切なことか

本公演に足を運ぶことは、予定していなかったこと。

年末年始にたまたま、ウィーンフィル・フルトヴェングラー指揮の『英雄』を聴いた。フルトヴェングラーは好みではないが(年代特有の録音状態の悪さの影響が大きい)、この演奏に心を動かされて『英雄』の生演奏を聴きたくなった。

 

それでも、他の演奏会や映画、展覧会に足を運ぼうかと思っていたところ、本公演に足を運ぶことを後押ししたのは、高関健の本公演前のTwitterであった。

『オリオンとプレアデス』への言及はなかったが、彼が考える『英雄』のあり方、指揮者としての姿勢や考えを垣間見ることができた。

それが実際に音になった時に音楽になり、それによって私の心が震えるのではないか、心が動かされるのではないか、と思った次第。その通りの素晴らしい公演だった。

結局、インターネット上で前売券を買ったのは、成人の日であった。

 

新宿ワシントンホテル本館あたりより見た、1月の21時頃の東京都庁舎方面(東京・新宿)
新宿ワシントンホテル本館あたりより見た、1月13日21時頃の東京都庁舎方面(東京・新宿)

 

武満徹『オリオンとプレアデス』

ソリスト:チェロ 宮田大

19時過ぎから19時41分まで(ソリストのアンコールを含む)

 

第1楽章すぐに涙が溢れた

初めて聴くこの曲。第1楽章すぐに、涙が溢れた。

聴けて良かったが、曲のメロディ、内容はまったく頭に残っていない。時間が立ったから後日に忘れてしまったのではなく、聴いた当日から記憶にない。

この曲は、CDやラジオではなく、演奏される現場で、生で聴いて曲の良さが分かる曲ではないのか。

 

ソリスト:チェロ宮田大

ソリストも初見、初聴。

チラシからも分かる顔の良さ。演奏中はとにかく動く。彼は演奏中に天を見上げたときもあった。

演奏の始まりと終わりは、笑顔であちらこちらに頭を下げる。毎年のように日本のオーケストラのいずれかでソリストとして招かれていることも納得がいく。コンサートマスターを始めとしてオーケストラも彼を笑顔で、拍手で賞賛していた。

今回が初めての演奏という、彼の『オリオンとプレアデス』をまた聴いてみたい。

ソリストアンコール:バッハ『無伴奏チェロ組曲1番 プレリュード』

 

コンサートマスターの演奏中の動き

コンサートマスターが目の動きや口の動きで、かなり細かく、向こう側のセクションに指示を出していた。ただし、本公演の私の座席からは会場の向かって右半分はまったく見えないため、どのセクションに指示を出していたのかは分からない。

うざったくもあったが、覚えている限りではこれだけの状況を見たことがなかったこともあり興味深く面白かった。なお『英雄』ではコンサートマスターのここまでの振る舞いは見られなかった。

 

息を吸うことで音がすることは分かるのだけれど

演奏の途中から、いびきのような呼吸の音がしていたことに気がついた。曲の静かな場面のときにその音がかぶさって嫌だった。同じ3階、同じ列の後ろ側のように思ったが結局分からず(その場所も、あまり人がいなかったが分からず)。

 

ベートーヴェン『交響曲第3番』

19時55分過ぎから20時51分まで(本公演解散まで)

 

最初の和音2つを聴いて、やっぱり今日は来て良かったと思った

良い音だ。「やっぱり」は既に『オリオンとプレアデス』で思ってはいたのだが、改めてそう思った。

第1楽章で涙が溢れた。これだ、これだと。ベートーヴェンってやっぱり良いなと。

第1楽章で聴いたことのない箇所がいくつもあった。はじめは感覚的にセカセカした早い演奏で、そのせいで合奏が合わない箇所、流されたような箇所があったように思われたが、それも問題なかった。

楽章間を続けて演奏することはなかった。この曲が4楽章から成り立っていることを意識させてもらって良かった。

 

フライングの拍手がないことは素敵だ

『ああ、もう演奏が終わってしまうのか』と最終盤に思う演奏会は、3カ月ぶり。アッという間の体感。やはり良いものは終わってほしくないものだ。

特に有名曲の『英雄』はフライングの拍手が出やすいと思っていたが(私が『英雄』を演奏会で聴くことは、今回が初めて)、指揮者の手が下がり切ることをすべての聴衆が見ていたかのように、まったくフライングはなかった。

その後の拍手も大きく、長く続いた。5割ほどの客しか居ないことが嘘であるかのように。

素晴らしい演奏だと思ったので、私もその中で拍手をし続けた。ティンパニに特に大きな拍手が送られていたように思うが、そうだと思う。

 

客もニコニコ、舞台上もニコニコ

舞台上の振る舞いを見る限りでは、常任指揮者とオーケストラの関係は、良好のようす。

指揮者はニコニコでオーケストラに拍手、拍手。演奏後の楽団員は無表情であるが、コンサートマスターはニコニコ。

コンサートマスターが一歩前に出て頭を下げて(入場時は、他の楽団員と一緒に出てきたので彼個人に対する拍手はなかった)、他の全楽団員が頭を下げて本公演が終わった後に、楽団員はニコニコと良い顔をして握手をし合っていた。その良い姿を、笑顔を客にも見せて欲しい。

心動かされた、良い演奏会だった。今もその思い。

帰りに見た月の美しさこの上ない。

 

新宿パークタワーで見上げた、雲に絡まる月(東京・新宿)
新宿パークタワーで見上げた、雲に絡まる月(東京・新宿)

 

音楽会『東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第303回定期演奏会』の概要

  • 音楽会『東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第303回定期演奏会』
  • 日時:2017年1月13日 金曜日 19時-20時51分頃
  • 場所:東京オペラシティコンサートホール 東京・初台
  • 演目1:武満徹『オリオンとプレアデス』
  • ソリストアンコール:バッハ『無伴奏チェロ組曲1番 プレリュード』
  • 演目2:ベートーヴェン『交響曲第3番 英雄』
  • チェロ:宮田大
  • コンサートマスター:松野弘明
  • 管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
  • 指揮:高関健

本記事参考サイト:【東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団】コンサート情報 第303回定期演奏会

  • 備考:『ベートーヴェンと武満』に関する演奏会の情報です。
  • サイト管理者:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
  • サイトアドレス:2017年6月26日現在
    http://www.cityphil.jp/concert/detail303.html
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第303回定期演奏会パンプレット:高関健指揮『武満徹 オリオンとプレアデス』『ベートーヴェン 交響曲第3番』
東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第303回定期演奏会パンプレット:高関健指揮『武満徹 オリオンとプレアデス』『ベートーヴェン 交響曲第3番』

 

以上

  • 記事名:【高関健】指揮・東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団『ベートーヴェン交響曲第3番』を聴いた 初めから涙あふれる 2017年冬
  • 記事更新日:2017年1月15日、2017年1月16日、2017年1月29日、2017年6月26日
  • 記事出典元:山上真オフィシャルサイト

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